表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
愛があれば

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/90

チュウの嘆き

「人手不足ね」


 朝の部屋の掃除をしている最中だった。チュウが突然、ため息まじりでそんな事を言ったのだ。本当に何気なく言ったという感じだ。


 侍女は私とユンが全くの戦力外の為、実質チュウの他三人の侍女で回している事になる。仕事自体は優秀な人材が揃っている為、問題なく回っているが負担は計り切れない。殆ど朝から晩まで働き詰めで、休日もない。侍女はそういう物だと言ってしまえばそれまでだが、メイユーはそれを許していないし、チュウもそれに同意している。


 チュウの性格は分かってきた。たまに怖いが基本的にお人好しだ。だからこそ、嫌味という事は無いと思うが。


「申し訳ありません、お力になれず」


 ハッとした表情を浮かべるチュウ。それからすぐに顔を横に振った。


「違うの! シャオグーを責めてる訳じゃあ」


「はい、それは理解しています」


 理解はしている。ただやっぱり良くしてもらっているし、メイユーの力にもなりたい。だからこそと、言葉を続ける。


「……本当に戦力になれていないのが申し訳なくて」


「そう思ってくれるだけでも」


 チュウが呟くと、ユンに視線を送る。当の本人はその視線に気づいてニカッと笑い「なんだ?」と問いかけてきた。こうはなりたくない。たぶん悪気は本当に無い。


 一瞬だけ固まった後、目を泳がせてからチュウが口を開く。


「いえ、ユンの良い所は他の部分で」


 言い聞かせている様な言い方である。何だか居た堪れなくなってしまう。人を増やせない事情があるのか、そんな問いが出かかって寸前で止めた。


 聞くまでもなく、容易に返ってくる言葉が予想できる。獣憑きに対して、酷い態度を取る人物を入れる訳にいかない。態度を取らなくても、心のどこかで獣憑きへの嫌悪感がある人でさえ、入れない様に気を付けているのだろう。


 全ては私達を中心に考えてくれている。そのせいで人手不足だ。私達が頑張るのが筋という物だ。とりあえずユンのお腹をつねる。引き締まったお腹で掴めるお肉がない。何とか皮を摘まむ。


「な、なんだよ」


「そうすべきと思ったので」


「意味が分からんぞ」


 それがいけないんだ。さっきの話から察してほしい物だ。まぁそれができていたら、こんな事になっていないが。


 もうつねるのをやめてるのに、やいのやいのと文句を言い始めるユンを無視して、仕事を再開しようとする。だがそんな時、遠くの方で足音が聞こえた。カイレンが訪ねてきたらしい。人手不足の話をしている時に、性懲りもなく私の尻尾を撫でるためにやって来たのか。


「カイレン様が訪ねてこられたようです」


 声に若干の呆れが含まれてしまった。


「……ありがとうございます」


 謎の間を開けた後、チュウが返事をして出迎えるために部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ