意外な真実
それに加えて、引っかかる事もある。ミンズーは月餅を四つも持っていたのだ。一つだけならメイユーの茶会の時に、こっそりもらっていたのかもしれないと考えられる。しかし、四つとなると不自然に感じざるおえない。そんなにたくさん隠し持ったら、こっそりの域を超えてしまう。さすがに誰かが気付くだろう。
となると、別の可能性が考えられる。余ったものを、誰かからもらったとすればどうだろう。数が多くても不自然ではないし、二人の時にもらっていれば隠す事も容易だ。
そこまで考えて、思いつく事がある。今この態度からしてもしや。
「……カイレン様」
「? なんだ?」
ミンズーから謎の動きで威嚇されていたカイレンは、少し困った様にこちらに視線を向ける。
「もしかして、ミンズーに月餅をあげましたか?」
「ぴっ」
カイレンが答えるよりも先に、ミンズーが謎の悲鳴を上げる。よく見ると小刻みに震えていた。いや、小刻みではなくガタガタと震えている。これは確実に何かある。
「? あぁ、今朝やったな、皆で分ける様にと、六つほど」
「六つ?!」
みんなの声が揃った。
「一応確認ですが、ユンは一つしか食べていないですか? その時は四つだった?」
そう問いかけると、ユンは勢いよく顔を縦に振って答える。
「一つしか食べてない! それに確かに四つだった」
一番初めに食べたユンの時は四つだった。その証言を信じるなら、その時にはすでにミンズーが二つ食べたという事だ。みんなで分ける様にと言われた物を、だ。
「ちちちいっちがうの! 何というな!」
みんなからの何かを感じ取ったミンズーが慌てふためく。慌てすぎて上手く口が回っていない。
「というか! みんなだってつまみ食いしたんだから、同じような物でしょ!」
「同じじゃないわ、数が違うもの」
ミンズーの苦し紛れの言葉に、すかさずメイユーが口をはさむ。それにチュウが「そうです」と同意する声をあげた。
「お前が一番罪が重いぞ! というかよく私達を責められたな!」
もっともな事をユンが言い放つ。普通に私達の事を責めていたけど、責める権利はミンズーには無かった。
「……話が見えないな」
置いてきぼりのカイレンがそんな風に呟く。なぜかその呟きに対して、ミンズーが一番に反応した。
「カイレン、私が説明するから、あっち行くよ! あっち!」
ミンズーはカイレンの腕を掴んで、連れて行こうとする。やっぱり引っかかっていたあの言葉に関して、まだ明らかになっていない。ミンズーの態度から、カイレンがそれを明らかにする重要な証言を持っているという事だ。
「大事にとっておいたお菓子が無くなってるの!」
引っかかっていたミンズーの言葉を思い出す。




