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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
お菓子横領事件

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25/90

よく考えたら

 私もメイユーも言い訳を口にするが、それを聞いてもミンズーは、怒りが収まらない様だった。というより叩く力が強くなった気がする。


「まぁ当たり前だわな!」


「はい、自分達だけ逃げようとして」


 実のところよくわかっていない風のユンの言葉に、チュウが同意して言葉を重ねる。それを聞いてミンズーの攻撃が止まった。


「二人も! 同罪なんだからね! 偉そうにしないで!」


 ミンズーの声に、ユンもチュウも反省したように縮こまる。そう。この場にいた四人が、それぞれ一個づつ月餅を摘まみ食いしていたのだ。そして何事もない態度を取っていた。何という図太い人たちだろう。


「でも、メイユー様は加えて犯行をもみ消そうと策を弄していた訳ですし、より罪深いです」


「ちょ、シャオグー! あなただって、自分の事を棚に上げて推理してたじゃない!」


「二人とも同罪! 反省!」


 私達の言い合いに、すかさず口をはさむミンズー。ここで反論しても屁理屈になるだけだ。甘んじて罪を受け入れよう。私もメイユーも体を縮こませる。


「ぴっ」


「ん?」


 突然の悲鳴にも似た声に、混乱してしまいそうになる。誰の声か一瞬分からなかったが、ミンズーから発せられたようだ。しかもなぜだか、そのまま固まっている。どうしたんだろう。


「え? ミンズー? どうしたのかしら?」


 さすがに唐突すぎて、メイユーは驚きを隠せないという感じだった。ユンもチュウも同じ反応だ。こちらに視線を送られても、私だって同じである。


「あれ? カイレン様?」


 カイレンの足音が遠くの方で聞こえていた。もしかしてミンズーは、これに反応してこうなってしまったのだろうか。


 そうしている内に、カイレンの足音が近づいてくる。ミンズーは止まったまま、小刻みに震え始めた。やっぱりカイレンに反応している。


「こここここの話は終わりで!」


 ミンズーの唐突な終了宣言。意味が分からない。どういう事か。そんな風に問い返す間もなく、カイレンが姿を見せて口を開いた。


「どうしたのだ? みんなして」


 とりあえず無視する訳にもいかず、代表してメイユーが答える。


「ちょっと……月餅」


「あぁぁっ、いやぁぁ、あのぉぉ」


 メイユーの言葉を遮って、ミンズーが声をあげた。おや。なんでこんな反応を。


「カイレン! 気にしないで! 気にしない」


 ミンズーがカイレンの目の前に瞬間移動したように見えた。それぐらい素早い動きをしていた。


「? なんだ? 何をだ?」


 カイレンも混乱している様だ。


「今朝……あっ」


 ミンズーが小声で何かを言いかけて、すぐにやめる。普通なら聞こえない声だったが、私なら聞こえる。もしかして私に聞かれてしまう事を嫌がったのだろうか。


 今まで自分の罪から逃れる事ばかりに気を取られていたが、よく考えたらミンズーのあの言葉は。

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