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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
お菓子横領事件

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24/90

決着

「ミンズー、おかしいと思わないですか? メイユー様はどうして普段お香を焚かないのに、今日に限って焚いたのか」


 ミンズーがハッとする。気付いたようだ。このお香は甘い香り。余計月餅の匂いをわかり辛くしている。


「メイユー様がこのお香を焚いたんですか?」


 誰が焚いたのか考えもしてなかったらしい。まぁ普通に考えれば私達侍女が焚くわけないのだから、メイユーなんだが。


「そうね……そういう気分だったお香を焚いたのよ」


 ミンズーに問われたメイユーは、余裕そうに笑みをうかべてそう返した。やっぱりお香の件は、そうやって言い逃れできてしまう。いつもと違う行動は疑う要素になっても、犯行の証明にはならない。メイユーもその事を理解しての余裕の態度だろう。匂いが分かれば、これが嘘だという事が分かるのに。でも外に連れ出せば、私まで危うくなってしまう。


「そういう気分……ですか」


 ミンズーが諦めた様に呟く。何とかミンズーを操って、メイユーだけを外に連れ出させて匂いを確認させれば、まだ勝機がある。


「ミンズー、あの……いい方法があります」


 遠慮がちな声が聞こえる。そちらを見ると、チュウが小さく手を挙げていた。


「二人を、部屋の外に連れ出して、匂いを確認すればいいんです」


 気付かれてしまった。時間をかけすぎて、考える余地を与えてしまった。私もメイユーも犯行の証明はできないが、態度が怪しすぎたのだ。勘の良いチュウにとって、十分すぎる証拠になってしまった。


「問題ありませんよね? 二人とも」


 黒い笑みをうかべるチュウ。だいぶ怒っている様に見える。罪を擦り付けようとしていた事まで悟ってしまったかもしれない。


「お、落ち着きましょう」


「ももももう犯人捜しはやめましょうよ、ね、ね! ミンズー!」


 私とメイユーはミンズーに掴まれ、部屋から引きずり出される。何とか抵抗しようとしたところで、ユンが私の後ろに回り込んできて背中を押してきた。メイユーの方にはチュウが行った様だ。


「二人だけ逃れようだなんて、許しませんからね」


 チュウの恨み節が聞こえてきて、背筋が凍る。見た訳ではないが黒い笑顔を浮かべているのだろう。

 抵抗は虚しく、私達はミンズーによって部屋の外に連れ出される。守ってくれるはずのお香の匂いが、虚しく体から消えていくのが分かった。


 ミンズーが顔を近づけてくる。それからすぐにメイユーにも同じようにした。それから怒ったようにして、私たち二人をポカポカと叩いてくる。


「ごめんなさい! 我慢できなくて!」


「つい、食べてしまったんです、ごめんなさい」

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