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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
お菓子横領事件

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生贄になってもらおう

「三つも食べちまうなんて、意外と食いしん坊だなっ、チュウさんは」


 少し安心したように笑っている気がする。そのユンの言葉に、チュウが弾ける様に声をあげた。


「え?! 一個しか食べてないです! 私は一個しか食べてません!」


「嘘つかないでよ! チュウさんが食べたんでしょ!」


 ミンズーは信じていない様で、相変わらずポカポカと叩きながらそんな事を言っている。本当にチュウは、一個しか食べていないのだろうか。匂いが分からない状態では、嘘の匂いが分からないせいで確信が持てない。何か手がかりになる事は無かっただろうか、そんな風に考えて先ほど発せられたユンの言葉が引っかかる。ミンズーの言葉から複数の月餅があったのは分かるが、ユンにそんな細々とした言葉に気付くだろうか。


「まぁまぁ、ミンズー、私のせいよ、チュウさんに急ぎの用事を頼んだせいで」


 メイユーが後ろから、ミンズーの両手を掴んで叩くのを止める。


「……メイユー様」


 チュウが感謝を込めた声をあげた。自分をかばってくれた事に対しての物だろう。メイユーはおそらく犯人ですよ。罪を擦り付けられているんですよ。そんな言葉が頭を過る。まぁ言わないでおこう。


 それよりもとりあえず、先ほど気になったユンの言動についての確認をしたい。


「ところでミンズー、月餅はいくつあったんです?」


「? ……四つだけど」


 なんでそんな事を。そんな表情を浮かべつつ、ミンズーは答えてくれる。


「そうですか、ありがとう」


 やはり複数あったらしい。しかも四つである。という事は先程ユンの言葉はおかしい。これで確定した。ちょうどいい。ユンがおバカな発言したのだから、自分で責任を取って生贄になってもらおうか。


「さっき三つも食べてしまうなんてと、言いましたよね? ユン?」


「んあ? そ、そうだけど、なんだ?」


 慌てている様子はない。まだ自分のミスに気付いていないらしい。


「最初にあった月餅は四つ、でもユンは先ほど三つも食べてしまうなんてと言いましたね……どうしてそう思ったんですか?」


「どどどどどどうしてだ、たかな? へへははあ」


 明らかな動揺。何がまずかったのかはっきりは分かっていないだろうが、とにかく自分がマズイ事を言った自覚はあるらしい。だがもう遅い。


「ユンが最初に月餅を食べたんじゃないですか?」


 もしも複数あったという事にミンズーの言葉から気付いたとしても、詳細な数までは分からなかったはずだ。でもはっきり三つと言った。これは四つあったことを知っていたからの発言だ。正確な数が分かるのはミンズーと最初に食べた犯人だけ。

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