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後宮もふもふ事件手帖  作者: 高岩 唯丑
お菓子横領事件

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秘密の暴露

 おそらくミンズーはメイユーから「この人が犯人じゃないかしら」とか囁かれたら、証拠とかそんな物を求める事もなく、無条件で信じてしまうだろう。それだけメイユーは大きい存在だ。


 それにしても、これが第二側妃にまで上り詰めた実力という事か。清濁併せ吞む恐るべき存在だ。どうにかしなければ。


「……いえ、ここでハッキリさせた方が良いのではと思います」


「……あら、いいのかしら、ハッキリさせても」


 自信に満ちた態度。でも私が犯人という手がかりは無いはずだ。何かを口走ってしまった事もない。という事はハッタリという事か。とりあえず犯人が複数なのは、推理できているという事だろう。


 あるいは、やったかどうかなんて関係ないという事か。私に推理されて犯人と名指しされてしまう前に、犯人に仕立て上げ封殺しようとしているのかもしれない。


 できればメイユーの犯行を証明してしまいたいが、なにかお香だけでは弱すぎる。何かないか。必死で考えると、ふとある言葉を思い出す。


「……本当に月餅が無くなったんですか?」


 メイユーの犯行の証明ではないが、これで流れが変わるのではないか。


「……チュウさん、確認したいんですが」


 突然水を向けられて驚いたのだろう。チュウは悲鳴に似た小さい声をあげた。


「な、何でしょう?」


 顔は何でもない様に装っているが、心の臓はそうでもないらしい。早鐘を打っている。


「ミンズーがこの部屋に怒鳴り込んできた時です、その時、ミンズーはお菓子と言っていました、でもチュウさんは月餅が無くなったんですか、と返しましたよね? どうして、月餅と思ったんです?」


「そ、それは」


 チュウが言葉を詰まらせる。目が泳いでいた。それから何とか絞り出したという感じで口を開く。


「そ、そうです、ミンズーが前から月餅を持っていたのは知っていたので」


 お香のせいで嘘の匂いが分からない。だが、私は知っている。それは嘘だ。


「なんでチュウさんが月餅って知ってるの! 今日の朝貰った時、チュウさんは用事で出かけててヨウズデンにいなかったじゃん!」


 ミンズーが高らかに言った。チュウが小さく呻き声をあげる。そうなのだ。ミンズーが月餅を持っていたのは朝だ。それまで持っていなかったと思う。そして朝、チュウはメイユーに何かを頼まれて出かけていた。帰ってきたのはついさっき。月餅の存在に気付く事ができても、それが誰のものかまでは確認する時間はなかった。


 ミンズーはチュウを両手でポカポカ叩く。


「ごめんなさい……ごめんなさい、食事をする時間がなくておなかが減っているときに、偶然見つけて我慢できなくてっ」


 ミンズーは怒りが収まらないようで、ポカポカと叩き続ける。よかった。このままチュウにすべての罪をかぶってもらおう。一件落着である。そう思った時、ユンが声を上げた。

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