エレメントクレメント大いなる禍(若返りの呪い)Ⅱ
年老いた衛兵はエレが町に入るのを阻止した。
「例え幼子でも小銅貨3枚だ」
衛兵は腰を擦りながら言う。
エレはトコトコと衛兵の近くに行くと腰に触った。
「汚い手で触るな!」
衛兵は最初こそ怒鳴ったがやがて静かになる。
「⋯⋯痛みが消えた⋯⋯」
不思議そうな顔でエレを見る。
「お前が⋯⋯したのか?」
エレは頷く。
衛兵はポケットから小銅貨3枚を出しエレに渡した。エレは小さな手でそれを受け取り再び衛兵に差し出す。
「通交料金は貰ったから入れ」
衛兵はエレを促す。
「⋯⋯ありがとうな⋯⋯」
エレは町の門を潜る。
「おぃ、あの赤い屋根が見えるか?あれが俺んちだ⋯⋯姉が⋯⋯婆さんが居るから少し見てやってくれんか?」
エレはニコリとして赤い屋根の家に向かった。
赤い屋根の家は小さくて古い建物で今にも倒壊しそうである。
エレは家の前で立ち止まり衛兵を振り返った。
衛兵は手を振り回し中に入れとオーバーゼスチャーしている。
⋯ノックノックノックノック。
エレがドアを叩く。
返事がないので再び衛兵を振り返ると衛兵は盛んに腕を振って入れと仕草で示した。
エレがドアに手をかけるとギギギギギとドアの軋む音がする。
「⋯⋯だ⋯⋯れ⋯⋯?」
弱々しい声が部屋の奥から聞こえた。
エレがベッドで寝ているお婆さんの近くに行く。
「あら⋯⋯小さな⋯⋯お客⋯⋯さ⋯⋯ん⋯⋯」
お婆さんはゼイゼイと息をしながらエレを見た。
エレは小さな手でお婆さんの頭に触り、次に首、肩、腕、足に触れた。
ぽぅっとぼんやりした光が漂い
お婆さんの息が静かになる。
エレは毛布の上から小さな両手で腹部にそっと触れる。
「あぁ⋯⋯楽になった⋯⋯」
お婆さんはベッドから手を伸ばしてエレを抱きしめた。
エレは久しぶりに人の温もりに包まれとても幸せな気分になる。
エレはお婆さんをじっと見つめていた。
「ありがとう不思議な小さなお客さん」
エレはお婆さんに頷くと外へのドアに手をかける。
赤い屋根の家を出たエレは冒険者ギルドを目指す。
⭐
エレが冒険者ギルドのドアを開ける。
ギルド内は騒然としていた。
ドラゴンが近くを飛翔していたのを何人も冒険者が見たというのだ。
ドラゴンといえば討伐は大変で災害級だ。
「冒険者たちが襲われてるという報告もあったぞ!?」
「ギルド長!強い冒険者は何人この町にいるんだ?」
「情けないがゼロだ」
華奢な体格のエルフが答える。
「王国の騎士団に連絡は?」
「ドラゴンが道を防いでるんで無理なんだ」
⭐
ギルドの冒険者たちがゾロゾロ
と外に出て行く。




