雨音
夕方の雨の匂いを風が運んでくれ
優しいあなたの詩が流れてくる
出会えた頃の気持ち
覚えていますか?
もうはじまってしまったから
もとには戻れないな
でも君となら無理してもいい
どこに流れて着くのか
わからないけど
窓を開け降りだした雨
雨の重力に心地好く
身を委ねるように
あなたへの思いがこぼれてくる
好き
好き
好き
全身に雨音がしみ込んで
濡れた木葉の香りさえ揺れて
流された
ため息は
流された
自意識も流されて
ただあなただけになった
私の宇宙が
のまれていった
あなただけに
ため息が最後に残って
雨音に
好き
好き
好き
好きが溢れる口唇ふさいで
愛を叶えたい涙だけに
ぬれる夜
会いたい
会いたい
会いたい