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鳴き虫の唄

作者: 朝馬手紙。

五月二十四日、私へのイジメが始まった

ついでに言うと今もずっと、続いている


「ワタシ、イヤ」の鳴き声も

この教室の中じゃ、ちっとも響かない

親にはなんとかバレていない

ネットで知り合ったトモダチから

「一緒に自殺しようよ」って誘われて

なんか怖くなって無視したら

後日、本当に彼女はどこかへ行った


上履き探しも慣れれば楽しいな

机の落書きも、破れた教科書も

もしかしたら芸術的だ

私の地獄みたいな日常も

もしかしたら、もしかしたらって…

望み薄だぞって思い知れたんだ

ありがとう


「王子様とまでは言わないけど、

手を引いて何処かへ連れ出してくれないかな」

漫画じゃあるまいし

アニメじゃあるまいし

あるわけないよ、ほらもっと味わえ

簡単に死ぬんじゃねーぞ

「ああ、苦しいなァ、つらいなァ」

その声で私は鳴いている


簡単に生きるんじゃねーぞ

「ああ、難しいなァ、容赦ないなァ」

無言で私は鳴いていた



「病気になるくらい生きたくないけど、

病院でお姫様みたいに過ごしてみたいかな」

映画じゃあるまいし

ヒロインじゃないんだし

終わるわけないよ、ほらもっと泣け

簡単に死ぬんじゃねーぞ

「ああ、しにたいなァ、消えたいなァ」

その声で私は息している


簡単に生きるんじゃねーぞ

「ああ、面倒だなァ、空は綺麗だなァ」

その声も私から奪われそうだ


ああ、歌っても、歌っても

自分の耳にしか届かないみたいだ

自分のためにしか鳴けないみたいだ…

ああ、今日も空が綺麗だなァ





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