なぜそこに道があるのか
初めまして、こんにちはー!
忙しいかも知れないけど、ちょっとだけ私、アメリアの愚痴を聞いて聞いてくださいな。
実は、この度、私、異世界転生いたしました!イエーイ、ぱちぱち。地球ってとこからアーイルってとこに転生だから、異世界に違いないね!なんていったって前世ではなかった魔法とかあるし!
でもさぁ、転生して思ったんだけど、異世界転生って大変よー、下手に知識があるから今世の常識になかなか馴染めないし、他の人よりも言葉とか文字を覚えるのに時間はかかるし・・・くっ前世が足を引っ張るぜ!
確かに記憶がよみがえったときは『よっしゃー、キタコレ』って思いましたよ、NAISEIや逆ハー、俺TUEEEEEEって言葉が浮かびましたとも!
だって、人間だもん。仕方ないじゃん。byアメリア
まぁそんな考えは早々になくなりましたけどね!
「どうかいたしました、お姉様?」
私が過去のことを思いだし、遠い目(?)をしていると宿題をやっていた妹のリリーが顔をあげて聞いてきた。宿題も異世界だから効率的な魔方陣を作成せよとかなんだか凄そうな感じなんだよー。
「いやいや、何でもないですよー人生について考えていただけですからー
あっリリー、ここの魔方陣こうしてみたら?こっちのほうが効率がいいんじゃない?」
嘘はいってないよー嘘は。過去のことを考えるとしょっぱい気持ちになるけどね。リリーの宿題に手をだしつつ虚しくなる私の図。なんか、ウケるwここ、笑うとこね!
「流石、お姉様!リリーが考えないようなことを考えているんですね!ありがとうございます!それにしても綺麗な魔方陣・・・あれ、なんか反応が・・・?」
まぁ理由としては、キラキラした目を向けている妹のおかげでしょっぱくなるんだけどね〜
記憶がよみがえったのが2歳、妹が産まれたのがその2年後。
あれは、妹が5歳、私が7歳の時でした。ぶっちゃけ、私は調子にのってました。
周りの子とは精神年齢が合わないと、勝手に書斎に入ってみたり(字が読めないのに)、勝手に将棋を作って一人で遊んだり(友達がいないので一人で遊ぶしかなかった)、勝手に畑に改良を加えてみたり(畑って言っても庭師に無理言って作ってもらった小さなもの)・・・
とりあえず、ぼっちで行動していたんです。端から見たらかなり不気味な子供ですよね。
そんなボッチな私にもついに鉄槌がくだされたのです。
「ねぇーさま、ねぇーさま」
「なぁに?」
こてんと頭を傾けながらリリーが言ったのです。
「ねぇーさまがこの間いっていた、まじゅつろんりなんですが・・・」
まぁ簡単な話、転生したといっても所詮凡人な私は、我が妹の天才っぷりに驚き、自信を砕かれ、挫折したのでした、ちゃんちゃん。
でもさぁ、うちの妹めっちゃ可愛いの!!なんだかんだで姉をたててくれるし、賢いし、本当にいいこ!!
「お姉様、お姉様、考え事の途中で、申し訳ないんですがそのような場合でないような気が・・・」
リリーが少し焦ったように声をかける。私たちの目の前には強い光を放つ魔方陣。
「ってなんで?!おーけー、私、い、一回落ち着こうぜ!HAHAHA」
やべー、笑うしかないわー。
「凄いですわ、お姉様!どんなときもクールですわ!リリーもお姉様のようになれるよう頑張ります!」
ふん、と可愛らしい鼻息が聞こえてきそうな感じ気合いをいれる妹。
いやー、リリーよ、お姉様はそんなに深くは考えていないよ・・・
てか、妹の宿題に手をだしたら魔方陣が反応しましたー。なぜだ!?
「お、お姉様・・・」
「リリー・・・」
二人でガクガク、ブルブルしながら、強い光を放つ魔方陣を見守っていると巨大な魔力の反応が・・・
『御主がわらわの主かえ?』
ってなんか出てきたし!
まじなんなん?てか、教科書とかでしか見かけないヒトガタ様じゃねえ?言葉、喋ってるし。魔方陣弄ったら召喚陣になって天魔界に繋げちゃったってこと?!(天魔界って前世でいうところの天使や悪魔が住んでる次元だと私は思ってる)
しかも、よりによって呼び掛けに答えたのはプライドが高くて召喚陣反応が一番少ないというヒトガタ様ですか!
呼び出した者が気にくわないとさっさっと帰っちゃうっていうヒトガタ様!
魔力が少ないと契約できないという前世でいうところのレアキャラ天使!!
呼び出すことも難しいと言われているヒトガタ様を宿題の魔方陣で呼び出すとは流石、リリー!!やはり、天才すぎる!!ヒャッホー!!・・・。
「お、お姉様」
「ナンダイ、リリー」
アハハ、キャパがおいつかなすぎて目あけたまま数秒気を失ったわー。
『ふむ、御主、名はなにかえ?』
げふ、ヒトガタ様はマイペースなり。
ここは、お姉様が気張っちゃうぜ!!
学校で学んだことを生かすときがきたなり!!
黒い髪に赤い瞳、当てはまるヒトガタ様は3人。そのうち、一人は男性形なので除外、残り二人の違いは手持ちの扇子・・・。
蝶の刻印と薔薇の刻印。遠くて、よく見えないなーよし、ここは、唸れ封印されし、私の右目!!(注:雰囲気です、別に封印されてませんのであしからず)
うー、うーん?あ、あれは?!見えた!!彼女が持っている扇子の刻印は・・・蝶!って、ことは・・・
「御初にお目にかかります、ア、アメリア・パールスペンサーと申します。貴婦人、オブシディアン様」
リリーを庇いつつ、一歩前に出て頭を下げる。緊張して名前噛みそうになったよ、HAHAHA
『ほう、わらわが判るのかえ?』
「もちろんでございます。麗しの貴婦人様」
『ほほほ、初見で断言するとは、お主なかなかじゃの。それにしてもまぁ、これまた面白い色じゃ』
面白い色?なんじゃそれ?まぁ何はともあれあっていたみたいで良かったー。
『わらわを呼び出したのは後ろのおなごかえ?なかなかの魔力じゃ。守護契約を結んでも良かろう。』
うおー!!流石、リリー!!ヒトガタ様の守護契約なんて半端ないね!!
説明しよう、守護契約とは簡単にいえば、半端ないボディーガードが守ってくれるっていう魔術師憧れの契約なのだ。
こりゃ、結んだほうがいいに決まっているね!!
「リリー、あちら側へ」
リリーは、おずおずとオブシディアン様の側へ歩いていく。時折、振り返り私をみるんだけど、可愛すぎるだろ!ヤバ、妹萌えだわーw
『では、聞こう。わらわと契約を結べるお主の名を』
「私の名前はリリー・パールスペンサー」
厳かに契約が進んでいく。
お父様とお母様には事後報告になっちゃうけど仕方ないね、契約はスピードが命だしね。結べるならちゃっちゃと結ばなきゃ!お祝いにケーキでも作ってもらちゃおうっと。
このときの私はケーキで頭が一杯でこの契約によってもたらされる問題や利益について全く考えなかった。契約によって辛うじて地方貴族でしかなかった我が家が王族に嫁げる地位を得たこと、すったもんだでリリーが我が国の第一王子と結婚して将来的に王妃になるなんて全く想像もしなかったのだった。
「やっぱりここはショートケーキの一択かしら?」
・・・全く想像しなかった。
※※※
王妃リリーは数々の論文を発表し魔術発展に力を注いだ。また、夫である王イズールを支え、二男三女をもうけ、良き妻、良き母であり国内外でも人気が高い。
そんなリリー王妃はお姉様にはかなわないとよく言っていた。
小さいころから勉学に勤しみ、魔術論理の解析、さまざまな発明、畑の改良を行い領地の発展に貢献し、イズール王子とリリー様の結婚式を見届けたあと、運命の出会いを捜しに行くっと言って旅に出たアメリア・パールスペンサー。
彼女に関しては、獣人の村を救った、ドラゴンと契約を結んだ、隣国との戦争を防いだなど数々の逸話が残っている。また、王妃を始め、多くの貴族が彼女の行方をおって道を造り、国の隅々まで街道が通ったことは有名な話として残っている。




