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5話 情報過多

お久しぶりです…


全然更新していなくて、ごめんなさいでした。


多分忘れ去られております…ね…


これからは、ちょくちょく更新したいです…。


見てくれている人がいらっしゃると嬉しいです。

椿は、サンを腕に抱えたまま、玄関入ってすぐの階段を上がる。


椿の部屋は2階にある。


因みに、この家は2階建てであり、1階にリビングとキッチン、お風呂、トイレ等の生活場所があり、2階には父、母、そして、椿の部屋がそれぞれ配置されている。


まぁ、父と母の部屋は別々でも、2人は仲良しなので、殆ど父の部屋で2人は過ごしており、母の部屋は洋服等の置き場と化しているが。


椿の部屋は、階段を上がって1番手前の部屋だ。『Tubaki's Room♪』と書かれた木製のプレートが扉にかかっている。


扉を開け、部屋へと入る。


白基調の家具が並び、至ってシンプルだ。決して豪華でも派手でもないが、椿にとってはお気に入りの家具たちである。


部屋に入り、向かって右にあるベッドへとサンを下ろし、自分もその横に座る。


すると、サンは、待っていましたとばかりにまくし立てるように話し始めた。


「マリー!ううん、椿!一緒にルビー王国を取りもどそうよ!」


小さな前足を椿の膝に乗せ、必死に言うサンに、椿は圧倒されながらも、


「ルビー王国…?」


とサンの言葉を繰り返した。


椿はれっきとした高校生なので、地理はちゃんと学んでいる。そんな椿でも、聞き覚えのない国の名前だった。


…因みに、椿が、ちゃんと学んだ内容を頭に入れられているか、というのはこの際黙秘させて頂く。


花の乙女に体重と年齢、そして成績は聞いてはいけないのだ、うん。


とにかく、あまりにもファンタジックな言葉に、聞き返した椿に、サンは、うんと頷く。


「宇宙には、数えきれない程の星があるよね?」


いきなり話が大きくなったな、等と思いつつも椿は頷いた。


「うん、地学の授業で習ったよ」


夏でも冬でも長袖の白衣を年中着ており、髪も、少し伸びた髭も白髪混じりのいかにもおじいさんといった、地学の先生の言葉を思い出す。


「この地球から、ずっとずーーっと離れた所に、この太陽系に似た形をした惑星達が存在するんだ」


サンが、小さな手をめいいっぱい広げて伝えてくる。


うん、可愛いと思いつつ、頷く。


「ほうほう」


「その惑星の中に、地球と似た星があって、その星には、4つの王国が存在するんだ」


真剣な表情で言葉を紡ぐサン。


「…地球と似た星…王国…」


「マリーは、その王国の1つ、ルビー王国の姫なんだ。そして、その、ペンダントが王家の血を引く者の証。そのペンダントの所有者のみが我が国に伝わる古文書を読み解くことができるんだ」


サンは、椿が持つ、ほのかに光を放つ、深い赤色の石がついたペンダントを見て言った。


椿もサンの視線を追ってペンダントを見る。


ルビー王国…?姫…?古文書…?

聞きなれない言葉が並んでいる。


なんか、色々難しくなってきたぞ。


椿の理解能力の範疇を超える前になんとか説明を終えて欲しい、と椿は切に願う。


そんな椿を他所に、サンは、熱を帯びた瞳で続ける。


「そのペンダントを使えるのは、王家の血を引く者、そして、その生まれ変わりである…キミ」


「…私…」


サンは椿の方をみて、ゆっくりと頷いたのだった。


ペンダントを使える…?

王家の血を引く?

生まれ変わりの私…?


うん、少々情報過多だけど、大丈夫かな。

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