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3話 出会い

時間が過ぎ、放課後になる。


「椿ちゃん、バイバイ〜!」


「うん、また明日ね〜!」


クラスメイトに挨拶をし、


この後、どうする?や、遊びに行こうよ!と、未だざわざわしている教室を出て、帰路につく。


夢はサッカー部のマネージャー、琴音は、学級委員の仕事へ行ってしまった。


そのため、1人、学校を出て、帰り道を歩く。


ミーンミーンと鳴く蝉が、夏の暑さを強調しているように感じる。


「夏だな……。」


椿は、ポツリと独り言を呟き、歩を進める。


椿の家は、学校から少し離れた住宅街にある。


そのため、学校からは、少し遠い。


暑さと戦いつつ、椿が家の少し前にある曲がり角を曲がると、


「わっ!?」


椿の前に現れた白いなにか。


白い塊。


いきなり椿の前に白い塊が飛び出してきたのだ。


「マリー!!」


よくよく見ると、三角に近い形の耳、すらりと長い尻尾。


椿もよく知る動物だった。


猫である。


その”白い塊”は、猫であったらしい。


その白い塊、改め、白猫は、椿の方をめがけて飛びかっかってくる。


「え、え、え!?ちょ、ちょっと!?」


椿は、猫を慌てて両手で受け止める。

動物の毛のふわふわとした感触。


猫は、全体重をかけて、椿に飛びついたらしく、少しよろけてしまうが、なんとか転ぶのだけは、食い止めた。


「マリー!会いたかったよ〜!!」


猫はそんな椿を気にした様子はなく、スリスリと椿に顔をすりよせる。


な、何者だ、この猫。


えらく椿に懐いている上に、


「ね……猫が……喋ってる?」


そう、言葉を発しているのだ。

それも、椿がわかる言語、日本語を。


それか、椿が、猫語を理解するようになってしまったのか。


「あなた……何者……?」


驚きつつも、やっと出た声は少しばかり震えていた。


この目の前の状況をよく理解できていない。


「マリーだよね!ずっと、ずっと探して……!やっと会えた!」


目の前の不思議な猫は、椿の問いに構わず続ける。


それもまるで、昔か知り合いだったような口ぶりである。


こんな猫と知り合いだったっけ、と考えてみるが、思いあたる節は、ない。


そもそも、こんな不思議な猫と知り合いだったら、考えずともすぐに思いあたると思うが。


椿は、まだ椿に頬をすりよせて、言葉を話し続けている猫に、


「あの……猫ちゃん……あなたは、だれ?」


もう一度尋ねる。


はたから見れば、猫に話しかけている奇妙な高校生だが、幸い道には、誰もいなかった。


椿の問いがようやく聞こえたらしい、猫は、弾かれるように顔をバッとあげた。


その猫は、__猫であるため表情は、わかりづらいが、驚いたような表情を浮かべている、ように感じる。


「マリー……?ボクを忘れちゃったの?」

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