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ゾンビ再殺部隊 [Fight Against Zombies!]  作者: たまご風味
序章
4/18

レスキュー

☆これまでの登場人物


•ジム・デッカード

サラリーマン。電車内で襲われるが難を逃れる。武器は護身用に元から持っていた拳銃と戦っている間に拾った大ぶりのレンチ。


•ケイン・キック

消防士。消防署内で襲われ、ゾンビとなった元同僚を生存本能にかられて殺害する。

武器は署に飾ってあった火災用の万能斧。


•戦闘慣れした男

パラシュートでパンデミック発生から2日後に降下してきた男。

ゾンビを恐れず、卓越した戦闘技術で次々と立ちはだかるゾンビ達を薙ぎ払う。


☆これまでのFAZ


サラリーマンのジムは電車内でゾンビに襲われるが間一髪で倒すし、駅を出た後パンデミックに襲われたニューリバティシティを見て驚愕する


一方その頃、ケインは職場でゾンビに襲われるものの腕力とその場にあった斧で返り討ちに。その場を後にする。


二人はそれぞれの場所で、地獄と化した街に繰り出したのだった…

(2020年10月10日 16時30分 ニューリバティシティ ウルトラダイナミック本社ビル屋上)


消防署を後にしてから、だいたい8時間経つ。

ここに来るまでにケインは万能斧一つで何人ものゾンビを掻っ捌いてきた。だが8時間飲まず食わずで戦い続けるのは、いくら消防士という体力のある職業でも少なからず身体的、精神的疲労が大きくなる。


そろそろとりあえずの寝場所を見つけなければ…

そこで目をつけたのがこのビルだった。ここは今回の騒動…ゾンビパンデミックの割と早い時間で社員達を帰宅させていた。もっとも通りの様子がこれじゃあ、帰らせるより残らせた方が賢明だったかもしれないが…


朝はまだポツポツとうろついているだけだったゾンビが戸惑う市民を次から次へと襲い感染拡大、昼頃にはすでに生きている市民よりも生きている死者(livingdead)の方が数が多くなっていた。


つまり、たとえ走って街を抜けたとしても、いずれ角から飛び出してきたゾンビに食いつかれるか、もしくはじわじわと包囲されてディナーにされるかのどちらかである。


そんなこんなでケインは社員が居ない=感染者も居ないというこのビルに立てこもることにしたんだがー


ありゃ生きてるのか?


一人の男ー多分男だーがこちらに向けて手を振っている。屋上にいた(俺の)人影を見つけたらしい。

なんにせよ生きているなら助けたい。だが…

奴を救いに行った挙句、自分まで食われちまうなんてこともありえる。一人より二人の方が生存率も高まるが、救う時点でリスクも高い…


「あークソっ」

そこに救える命があるのなら、己の命に代えてでも救うのが消防士だ。

「待ってろ!今行く!」

このビルは電力を自給自足でまかなえる。それがケインがここを選んだ理由の一つでもあるのだが、とにかくそのおかげでエレベーターはまだ動いていた。

焦る気持ちを抑えながら一階へのボタンを押す。

扉が開く。自らが作ったバリケードの向こう側に、男の姿が見える。


男は乗り捨てられた車のルーフによじ登り、ハンドガンを打ち続けていた。


こちらの姿が見えたのだろう。ハンドガンを腰にくくり、雄叫びをあげるとゾンビに手にしたレンチを叩きつけ、こちらに走って来る。


ケインはバリケードを破壊し手招きした

「こっちだ!退路は俺が守る!エレベーターの中に入れ!」


男が頷き横を走り去る。ケインはゾンビ達にに向き直る。


電力が回っているせいか、自動ドアはいともたやすくゾンビ達をビルの中に入れてしまう。


おい、そいつは客じゃねえぞ。やはりバリケードは壊すべきじゃなかったか。


一番前にいたゾンビの頭を万能斧で吹っ飛ばし、そのままエレベーターに向かって走り出す。

「ドアを閉めろ!」


男が頷きドアが閉まり始める。ケインはなんとか滑り込む。ゾンビが腕を振りかざしたその瞬間、ドアが閉まりきった。


二人の男はしばらくの間黙って肩で息を吸った。


そうこうしているうちに屋上に着く。

「よし、じゃあとりあえずー

ー服を脱げ。全部だ。」ケインは言った。


「…は?」


「俺も脱ぐからさっさとしろ」


「え、いや悪いがそういう趣味は…」


「いいから早くしろよ!」


ケインは黙って服を脱いだ。男も戸惑いつつ全て脱ぐ。


「じゃ、お前からだ。傷はー」

ケインは男の全身をくまなく見る。あったのはあざと擦り傷程度だった。

「ないな。よし、じゃあお前も俺に傷がないか調べてくれ」

「…ない」男が言う。


ーこれでお互いゾンビに噛まれていないことがわかった。


「よし、悪かったな。今のは感染してないか確かめるためだ。もう着ていいぞ。ところでだが、俺の名前はケイン。ケイン・キックだ。よろしくな」


「ああ、そういえばまだだったな。俺はジム。ジム・デッカード。まだ生き残りがいてよかった」


ジムは見たところ、標準的な一般男性のようだ。服装的にはサラリーマンか。


「とりあえず、今日はもう疲れただろう。お互い戦いばかりだったはずだ。ここは大企業だけあって非常食もある。食って4時間眠ろう」


「ああ、そうだな。」ジムが賛同する。


二人は食事をしながら自分達が今までの経をかいつまんで話し、しばしの眠りについたのだった…

戦闘シーンは残虐ファイトが目立つ戦闘慣れした男が書いてて一番楽しいです。

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