第一話 いや、わかってましたよ
本日二話目です。
「おーい」
なんか聞こえるな。
「おーい、コラ、起きなさいよ」
眠いんだ、眠らせておくれ。
「毎回心に残る感動のアニメNo1じゃないんだよ、最近は見なくなったけど。あと、君の状況だとそのシーンすでに通過してるからね」
おや? なにやらメタ的な発言が?
「…寂しいな」
む?
「いたけど…いたんだけど…」
むむ?
「これから独りなんだなぁ♪ニヤニヤ( ̄~ ̄)」
イヤアアアアアアアアイエエエエェ!?
それはさっき作ったばかりの熱々恥ずかしメモリアル!?
「いやいや♪ 恥ずかしいなんて、そんなことないよ♪ 意味ありげに行間あけて読ませるなんて、なかなかできることじゃないよ♪( 〃▽〃)」
イヤアアアアアアア、なかできぃィィィ!!
すんませんしたすんませんっした!! しっかり起きますんでご勘弁をヲ!!
声の主に向かって心は完全にジャンピング土下座後の五体投地である。
「綺麗な五体投地だね 。こちらの話を聞いてくれるならさすがに僕もオニじゃないからね、これ以上の精神的凌辱はしないよ?」
Oh、さすオニ!! 鬼が「オニ」な表記に作為を感じるZE☆
「あれ、いいよね♪ な○う産の希望の星だよ。と、まあ危険な話はこれくらいにしておこうよ? でないとナイナイされちゃうよ?」
うす!!了解ッス!!
「さて、だいぶキレイなリアクションとれてたみたいだしだいたい理解できてるかな? 全部僕から説明するのもなんだし君なりに状況を認識してみてよ♪ ある程度まとまったら声かけて。僕それまで少年跳躍読んでるから」
あらためて声の主に目を向けてみるとなんだかぼんやりとした人型のような何かが、これまたぼんやりとしたソファのような何かで寛いででいるように見える。光の○人?もしくは確定前のア○ンジャー的ななにか? そんな中で少年跳躍だけがハッキリクッキリだ。
さすがは少年跳躍だ!! あのダンス漫画の続きが気になるぜ!!
おっといけないいけない、状況状況。う~ん、どれだけ見てもぼんやりとしか見えない。急に近視?あれ? これくらいの距離なら、遠視か? 目が悪くなったことないからわかんないんだよな。
とりあえずは後回しで周囲の状況は、と。
…………………白いな。
一面真っ白だ。なんだか空間の広さもよくわからない。8畳くらいのワンルームぐらいにも思えるし、かと思えばとてつもない広さにも思えるし…なんだこりゃ? 近視?遠視?の影響か?あー老眼の可能性もあるか。
仕方ない、これも後回しだ。
残るは自分の状態だな。我思う、ゆえに我ありだ。
自分を知るっていうのは大事だな。古くは孫子とかにもそれっぽいのがあったし近い方だと就活のエントリーシート書く時も言われた気がする。
なんか最近じゃSNSで就活とかもあるみたいで時代を感じるな。俺なんかツブヤイターやレインもよくわかんないんだよなぁ、会社でも役職の割に浮き気味だったし…ハァ
いかんいかん、狭くて浅いバルト海の様に心が濁ってしまうな。
考えるな、感じろ!! 男ならドントやれだ!!
現状確認現状確認。
体に目を向ける。うん、胴体無事!この上なく無事、むしろ胴体しかないぐらい無事だね。ほら都市伝説で海外の秘境に行ったら四肢を切り落とされダルマにされた若い女性が出身大学とか伝えてくるなんて話があったじゃない、胴体と頭があれば結構いけるってことじゃね?
…ってそんなわけねえよ!!あの話怖ぇよ!!
いや、わかってましたよ? ホントは結構前からわかってましたよ?自分のことですもん。
よく自分のことは客観的に見れないなんて言うけども、そういう内面とかメンタルな話じゃねーですもん。完全に外見の話ですもん。
端的に言うと……俺は人魂になっていた。
お読みいただきありがとうございましたm(__)m