第90話 なりきり日和03(姫乃)
あの後、勉強会は一旦お開きになった。
午後からは、一人一人にあった訓練や勉強をするためだ。
姫乃の場合は、まだ少し不安定な炎の制御。
そして、相手の魔法を反射される鏡の魔法。
付け足して、調合の勉強もある。
後、おまけには、黒い手……だろうか。あれは何と言えば良いのか分からない。
その他にも細かな事が色々あるが、全てを述べていくとキリがない。
一応浄化能力についても頑張っているが、そちらはまったく進展なしだ。
そんな中、背中に部活中と書かれた紙を貼り付けられた姫乃。
他の人が突然の不自然な行動に驚かないように、との配慮だ。
もっと別の所で配慮してほしい気がするが、とりあえずその点は置いておく。
しかし、城の者達はなんだかんだいって、こちらの行動になれつつある。
雪菜先生が毎回突拍子もない事をするので、すれ違う人達は「また何かしてるんだろうな」という顔で、通り過ぎていった。
姫乃「僕かぁ。男の子、かな」
前の小学校で、たまに授業で劇をする事はあったが、男の子役は演じた事が無い。
けれど、ボクという一人症を使って話す友達はいた。
姫乃「ええと、ボクに何か用かな姫乃。……だったっけ」
性別は女の子なのだが、アニメか何かのキャラクターを参考にして、喋っていると聞いた事がある。
本人は、そのキャラをいたく気に入っているようで、素の喋り方は聞いた事が無い。
姫乃「知りたい事があるのなら、代わりにボクが答えてあげよう。……とか?」
同じ年代の者達と比べると博識で、頭の回転も速い。
こういった機会で登場人物を演じていると、どこかしらに無理が生じてしまうものだが、なぜだか彼女にはぴったりはまっていた。
あそこまでうまくできる自信はないが。
姫乃「とりあえず、頑張ってみよう」
後々の事を考えると、やってみる価値はありそうだ。




