第3話 ネコウについて
場所 エルケ 噴水広場
にゃーにゃー
なあ「ネコウちゃま、かわいいのー。にゃーにゃーなのー」
未利「ネコウってさー、エルケの色んなところにいるよね」
なあ「町でたくさんたくさん見かけるのー。いっぱいいっぱいて賑やかで嬉しいの」
未利「なんでこんないんの?」
姫乃「なんでだろうね。港が近くにあるわけでもないし……。ルミナはネコウの大好物がこの町の果実だからって言ってたから、そのせいかな?」
未利「この世界のネコって、果物が好きなワケ? 魚じゃなくて?」
なあ「なあはお魚さん好きなの。でもお魚だけじゃなくて、他の食べ物も好きなのっ」
未利「うんうん、すごいねすごいね」
姫乃「どうしてだろう……。近くに水場がないからじゃないかなあ。適応能力みたいなものとか……」
未利「ふーん、カメレオンが何か赤になったり青になったりするみたいなやつか」
姫乃「それとは、ちょっと違うような」
なあ「なあ知ってるの。かもふらーじゅ、っていうの。なあ昆虫さんの図鑑でべんきょーしたから知ってるの」
未利「あと、違う事といえば背中にツバサが生えてる」
姫乃「あ、それはちょっとびっくりしたよね。ふわふわ飛んでるの見て。今は可愛いなって思いながら見てるけど」
なあ「気持ち良さそうなの、なあも飛びたいって思うの。ふわふわなの!」
にゃーにゃー
ふわふわー
なあ「あ、ネコウちゃま待ってなのー」
ふらふらー
未利「あと、簡単な事なら、人の言う事も理解するらしいし……」
姫乃「ネコウがこれだけ違うんなら他の動物も違うんだろうね」
未利「異世界なんだからト―ゼンなんだろうケド。気を付けるにこしたことはないか。町から出るような事があったら、特にね」
・・・・・・
未利「あれ、さっきから静かだけど」
姫乃「あっ、なあちゃんがいない!」
未利「まったく、目を離すとすぐこうなんだから。小さい子供か!? って、子供で背が小さくもあるけど……」
姫乃「でもなあちゃんって……、本当に小さい子供みたいだよね」