第21話 物語即興会
石の町で閉じ込められている間、することのなくなった一同は即興物語会を開く事にした。
未利「暇だからさ、何か面白い事ない?」
なあ「面白いさんなら、ニコニコさんすれば面白くなるよってなあ思うの」
未利「そりゃ、そうかもしれないけどさ。なあちゃんじゃあるまいし何にもなくても、誰でもニコニコなれるわけじゃないんだよ。ってーわけで、何か面白い事ない?」
啓区「さー、どうだろねー。姫ちゃんは何かあるー」
姫乃「えっ、うーん。面白い事かぁ……」
うーん
姫乃「そう言っても、本とかも持ってないし、ゲームできそうなものとかもないし……。そうだ、自分たちでお話を作るってのはどうかな。ほら、エルケの町でなあちゃんがやってたみたいに」
未利「話かぁ、そういうのは何かなぁ」
啓区「でも、道具も何もいらないエコ遊びではあるよねー」
なあ「思いついたお話を皆で言ってくの、きっと楽しいの!」
姫乃「うん、面白そうかも。ちょっと、やってみたいかな」
未利「まあ、姫乃がそう言うんならいいけどさ」
姫乃「順番はじゃんけんで決める?」
啓区「くじとかで決めるよりはエコだよねー」
じゃんけーん、ぽんっ。
一番姫乃 二番なあ 三番未利 四番啓区
姫乃「じゃ、じゃあ私から。えーと、どうしよう……。むかし、むかしある所に……、こんな感じかな。ちょっと照れくさいな。おじいさんとおばあさんがいました」
なあ「なあそれ、知ってるの、おじいさんはお山さんへ芝刈りさんなの! そしておばあさんは洗濯さんに行くの。はい、未利ちゃまなの」
未利「この流れでアタシ。って言うかこれあの「も」からはじまって「う」で終わる昔話をただなぞってるだけじゃないの!? これをどうせいと!」
啓区「これをどうせいと、と叫んだおばあさんは川でー……」
未利「続いてる!?」
仕切り直しー
姫乃「じゃあ、もう一回。えっと、むかし、むかしある所に鳥がいました、ええっとその鳥は綺麗な鳥でした」
なあ「なあの番なの! えっとなの、鳥さんは楽しくお歌を歌うの! るるららーなの」
未利「今度はまともだ。そんで歌った鳥は……うーん、じゃあその声に不思議な力があった。で、驚きの効果を発揮する」
啓区「じゃあ僕だねー。うーん、そうだなー。歌ったらお菓子が現れるんだよー。それで、お腹がすいた人に……えー? 願望じゃないよー。お腹がすいた人に食べ物を分け与えてくれるんだよー」
姫乃「二巡目だね、うーんと、食べ物をもらった人たちは鳥にお礼を言うかな。そして、木の実とかを探してきてあげると思う」
なあ「なあの番なの! みんな仲良しでご飯を食べて、一緒にお歌をうたって、きっと楽しいの!」
未利「え、これなんか終わってない? ここから何か続けんの? うーん、じゃあ……、しかしそこへ悪さをしようと強い別の鳥がやって来たとか。ぐっへっへ、苦労せずにご飯を独り占めできるぞー、みたいな」
啓区「また僕の番だねー。だけど、襲い掛かって来た鳥に向かって皆で歌えば、鳥は楽しくなって改心し、 大人しくなりましたとさー」
めでたしめでたし。
未利「まともだ」
姫乃「今度はうまく行ったね」




