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第17話 花火
湧水の塔へと向かう道すがら、未利はたまやーと言いながら空に向かって弓を引いていた。
姫乃「えっと、何してるの未利」
啓区「今夜のご飯は焼き鳥かなー」
なあ「ふぇ、啓区ちゃまどうして夕飯さんのメニューが分かるの?」
未利「そんなんじゃないしっ、なに人を飢えた猛獣みたいな目で見てんの!?」
セルス「だったら何をやっているのかしら」
未利「こっちからも意外と気にされてた!」
ため息をつきつつ未利は説明する。
未利「アレだし……、夏の空で光ってパッてなる奴。花火を打ち上げてみようと思ったわけ」
姫乃「花火?」
未利「そ、花火。何かうちの魔法光らせることができるじゃん。だから単調になりがちな旅にエッセンスを加えようと思たんだけど」
弓を引く、未利。
弓なりに光の軌跡が飛んでいく様は見ていて……。
なあ「ぴかってなったの、すごいの」
姫乃「綺麗だけど、誤解されそうだよね」
啓区「空から攻撃されたーて感じにー」
セルス「魔大陸の件があるものね」
未利「……練習しようにも今はやらないほうが良さげなんだね、これ」