第92話 なりきり日和05(なあ)
希歳なあは、城の廊下を歩きながら悩んでいた。
なりきりで、お姉さんになりきるために、色々考えているが、どうすればお姉さんになれるのかわからなかったからだ。
なあ「お姉さんは年上さんなの。でも、なあは姫ちゃま達と同じだから無理なの」
むむむ、とうなるが、どうにもうまくいかない。
そんな姿をみかねたのは、話しかけてくるのは三座ちゃんだ。
未利ちゃまのお友達で、なあ達と同じ世界からこっちの世界に飛んできちゃった人達らしい。
とっても行動力があって、ワルガシコイのが特徴だと聞いた。
三座ちゃまは、お城が大変になった後に、やってきた人の一人だ。
三座「あら、あなたは確か未利さんの……。どうしたんですの?」
なあ「なあ困ってるの、どうすればいいのか分からなくて大変なの」
三座「何かトラブルでも?」
なあ「なあ、お姉さんになりたいの」
三座「は?」
三座ちゃんは手の平をこちらに向けて、ちょっと落ち着こうか、のポーズ。
三座「とりあえず、正確に、順番に話してくださいな」
自分でもどうすればよいのかわからなかったので、ちょっと混乱していたかもしれない。
なあはがんばって落ち着いてから、なりきり日和について説明した。
数分後。
話を聞いた三座ちゃんは、頷いた。
三座「そういう事ですの。あいかわらずおかしな事してますわね」
なあ「ふぇ? なあ達の成長のためなの。だから変じゃないと思うの」
三座「目的は、ですわね。そこに至る過程がぶっ飛んでますのよ。それに比べると、わたくし達の担任の人間性は、平々凡々としてましたわね」
よくわからないが、何か考えることがあったのか三座ちゃんが遠い目になってどこかを見つめている。
一泊置いて、その三座ちゃんが話しかけてきた。
三座「参考になりそうな人間を知っていますわ。その方はわたくしの友人なんですの。耳を傾ける時間がるなら、教えてさしあげても良いですわ」
なあ「そうなの? うれしいの、教えてほしいの!」