第9話 花壇の主
何となく、学校の花壇での話。
「おいーす」
「おはよう」
「・・・お早う」
杏子と翔は眠そうだった。
朝は二人とも弱いらしい。
教室にはいると、
「おっ、やっと来たのかお前ら。」
火俄里がいた。
「あたいったら、朝からぜっこーちょーね!!」
遊もいた。
しかもめちゃくちゃ元気だった。
チャイムがなり、いつも通りホームルームが始まった。
「えーこれからホームルーム始めるぞ~。
まずは、美化委員会から、花壇の花がもうすぐ咲くので見に来てください。
とのことだ。
次、えーと、英語の輝紅夜先生が復活したそうだ。どうでもいいな。
さいごに、今日、定期テストについての説明がある。
しっかりと聞き、よい結果を残せるよう、各自頑張ること。
以上!」
「一体何やるんだろうな、定期テストって。」
翔が聞いてきた。
「さあ、まあ特別な方法だろうけどね。」
ここは、特殊な勉強方法を取り入れた学校だ。
定期テストが変わった物でもおかしくはない。
「・・・それより次の授業。
次は英語。翔、頼りにしてる。」
杏子はそう言った。
「僕も頼りにしてるからね。
頼むよ、翔。」
「当たり前じゃねぇか。
英語なら任しとけ。」
この時の翔は、とても頼もしく見えた。
「いやーきつかった。
まあ、遊がいて助かったな、主にオトリだったが。」
「ふふん、あたいの強さを思い知ったか!!」
遊は上機嫌だった。
今日のパーティーには遊が一緒である。
遊は、力押しと、オトリ役として、とても活躍してくれるのだ。
「・・・折角だから、花壇を見ていかない?
ここからすぐだし。」
杏子が提案してきた。
「まあ、いまなら、アイツもいそうだしな。
行くか。」
というわけで僕たちは、花壇に向かった。
~花壇にて~
「おっ咲いてるな、やっぱりアイツが育てただけあって
すごいな。」
翔の言う通り、素晴らしい花が咲いていた。
「あら、見に来たの。」
僕たちが花を見ていると、この花壇の主があらわれた。
彼女の名前は、輪咲 八重菜
八重菜は、花を育てるのがとてもうまく、とても評価が高い。
のだが、
花のこととなると、見境がなくなり、
花壇に踏み込もうものなら、
しばらく立てない体になるだろう。
花を傷つけるとどうなるかは、誰も知らないのである。
「キレイに咲いてると思ったから、皆で見に来たんだ。」
僕がそう説明すると、
「実はいま、問題が発生してるのよ。」
ため息をつきながら、八重菜は言った。
「どうかしたのか?俺たちで良ければ相談にのるぞ。」
翔がそう言うと
「実は・・・~~~
八重菜は、説明を始めた。
続く・・・のか?