罪悪感
やはり、お姉様の彼氏だった人を………と思うと罪悪感だけが残った。彼は眠っている私を自分の屋敷に連れて来たらしい。
指に違和感を感じた。
指を見てみると、
…………ダイヤモンド。
婚約指輪…。
「あ、あのっ……」
「そう言えば、風邪は治ったかな?」
私が言おうとするのを遮るかのように言葉を発した。
「あ、そういえば……。すっかり治ってる…」
あの…キスのお陰?
「あ、あの、それよりっ……」
「ところで、結婚式はいつにするかい?律も18なんだし結婚は早めにした方がいいよね」
私の話を聞かないようにしている先生。なんでそんな簡単に決めるの?
「……知ってるかい?君と俺は………許嫁なんだ」
……え?
「だからどんなに嫌でも親の言いつけは守らなければいけない。だから結婚もする」
いや、あの、マジで?
「じゃ、じゃあなんでお姉様と付き合ったりしたんですか⁉」
「俺はあまり君のことを知らなかった。だけどお姉さんと付き合って家庭教師でもやってればいずれわかるだろうと思った。だから君たちのお父様やお母様にもお願いをしていたんだ。お姉さんには一切興味はない」
『ただ、それだけのことさ』
ってかっこ良く言ってるけど…あんたって本当最低。
ぱちんっ!
メガネを触っている陽一様に私は一発殴ってやった。
お姉様と私の気持ちを込めてホッペをパチンッって強く殴ってやった。
「あんたなんか大っ嫌い!私たちの気持ち弄んで最低最悪。誰があんたと結婚なんてするもんですかっ!」
今度は
『1秒でもあんたを好きになったのが時間の無駄だったわ』
って言ってやった。
部屋から外に出たのは良いが、
ここどこ……?私の家の2倍以上なんだけど。
すると後ろから声がした。
「良いのかな?そんなことしても…」
………?
どういうこと?……