私の気持ち
受験は明日に控えた。
試験受けに行きたいのに身体が動かない。
ん……?
なんだろ、この甘い感じの…
暖かい感じ………柔らかい感じ……
私は目を開けてみた。
そしたら、先生が口移しで薬を飲ませてくれていた。
「っ………‼」
ビックリしてびっくりして、声も出せなかった。
そのあとも長い長いキスをしてくれた。
移っちゃうよ、、先生……
とろけちゃいそうな甘いキス…
これが…お金では買えないっていう………
その様子をお姉様はドアから見ていた。
「な、なにしてるのよっ!」
お姉様は大きな声を出して先生を私から遠ざかした。
「なに、なに考えてるの⁉いくら風邪だからってそこまではしないわよっ!酷いっ酷いっ……‼」
「お、お姉様、違うんです…先生は薬を飲ませてくれただけなんですっ……!」
「なにが違うって言うのよ…陽一のことが好きだからあんたから迫ったのよね⁉」
お姉様は怖い目で私を睨んでいた。
「俺はこんな幼いコ、好みじゃないって言ったろ……?俺はお前一筋なんだ」
泣きじゃくる凛に少し戸惑う陽一。
本当は妹の律の方が好きだった。
「あんたなんか、大っ嫌い‼」
お姉様は泣きながら先生の手を引っ張って部屋を出て行った。
……………。
不味いことをした。
別に私から迫ったわけじゃないけど、別れちゃったりしないかな…大丈夫かな……。
(なんであんなことしたの?先生……。)
凛の部屋で陽一の腕の中で泣きじゃくる凛。陽一は、ごめんごめんと頭を撫でながらずっと謝った。
「でもな、あのまま薬飲まなかったら律ちゃん死んでしまったかもしれないんだぞ。それでもいいのか?」
「そんなの関係ない!あたしの陽一を誘惑した律が悪いのよ。絶対に許さないんだから」
凛は本当に陽一が大好きなのだ。
それはどんなに心が広いひとでも怒るのは当たり前である。