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ワケあり脱獄者と7人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
第一章『学びと成長』

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第八話『炎耀国』

本日一話目です!ちょっと長め

22時にもう一話でます!

 炎耀(えんよう)国は、創環(そうかん)大陸の中では比較的治安が良いとされる、貴族中心国家だ。山を越えた二人は、いよいよ目的地である炎耀国の領土に足を踏み入れた。


「炎耀国は氷霊国とは異なり、いくつもの国と関わりを持っている国だよ。」

「氷霊国とは異なり?」

「ああ。氷霊国は創環大陸で唯一の独立国家なんだ。他の国とはあまり関わりたがらない。」

「なるほど。」

「それと、炎耀国は多くの均衡師が滞在する国だから、鍛えるにはちょうど良いのさ。」


 山を抜けてからもしばらく歩き、結局炎耀国の外れの村に着いたのは辺りがだいぶ暗くなってからだった。村は氷霊国の所と似通っていたが、教会は無かった。その代わり、孤児院が設置されているようだ。


「おぉ華原(はなつばら)さんでねぇか!」

「おめさん帰ってきたんけ!」


 村に着くと、村の門番をしている二人の男性は、華原が来た途端近寄ってきてそう声をかけた。


「仕事を終えて帰ってきたんだ。今日一日泊めさせて欲しいな。」

「華原さんにでけぇ恩があるでいつでもゆっくりしてくでせぇ。」

「お隣にいるべっぴんさんは華原さんのお友達かえ?」

「いや、うちの弟子だ。彼も一緒に泊めたいんだけど大丈夫かい?」

「全然ええでさぁ!」

「坊ちゃんもゆっくりしてき!」


 華原は門番と話を一通り終えると、特に辺りを散策するでもなく、目的地が決まっているかのように迷い無くまっすぐ村を進んでい行く。黒羽は彼女達のやり取りでいろいろ聞きたいことがあり、門番の方をチラチラと見る。しかし、馬宿で怒られたことを思い出し後ろ髪を引かれる思いで華原についていった。


 華原の迷いない行動は、実際目的地が決まっていたかららしく、彼女がまっすぐ向かった先は宿だった。彼女が宿入ると、受付の人もお客さんも彼女の方を振り返り、一斉に表情を明るくした。彼らはみんな華原と顔なじみらしく、彼女は直ぐに宿にいた人たちに囲まれ、ひっきりなしに声をかけられている。そして、その後華原の隣にいる黒羽の存在に気づき、触れられる。

「えらいかわええ子でねぇか。」

「坊ちゃん華原さんのお弟子さんなのかい!」

「まだ小さいのに頑張るねぇ。」

「おいちゃんたち応援してるでな!」


 黒羽は嬉しいと恥ずかしいがごっちゃになっていたたまれなくなっていた。華原も声をかけられるのは嬉しかったが、時間も時間で、明日も早くに出発しようと考えていたため、早々に受付を終わらせ、泊まる予定の部屋に向かった。

 宿は氷霊国の村よりもかなり大きく、四階まで部屋があった。二人は四階の角部屋へ。


「師匠、村の人たちとすごく仲いいな。」

「昔一度ここで出た災獣の対処をしたことがあってね。それ以降は他国に用事があるときにこの村を経由することが多くなって、自然と村の人たちと仲良くなったんだよ。」

「なるほど、とても慕われてるんだな。」

「ありがたいことにね。――さて、明日はいよいよ私の本拠地もある、炎耀国の中心地、『億樂(おくらく)』に到着予定だ。私の下についている間は私の本拠地で寝泊まりしていいよ。訓練場もあるから、そこで戦いの修行だね。あとは一般常識や言葉遣いも教えないと。敬語、まだ上手く使えないんだろう?明日も朝早いから、シャワー浴びて寝るよ。」


 結局、その日は特に村で災獣に襲われることもなく、二人は早々に就寝した。




 翌日、黒羽は再び朝4時に華原にたたき起こされる。

「君は先に受付行ってて。着替えてから向かうから。」


 黒羽は前回と同じく先にロビーへ。まだ朝早いのもあり、夜にごった返していたロビーはかなり静かだった。しばらくしてから、華原は食堂で朝ご飯を準備してもらい、チェックアウトしてすぐに村を後にした。


「今日の朝はおにぎりを握ってもらったんだ。億樂に着くのは昼前の予定だから、むこうでご飯を食べてから私の本拠地に向かおう。」


 二人は、朝ご飯を食べつつ、他愛もない話をしながら億樂に向かう。そこの道中も特に災獣が出ることもなく、時折熊やウサギなど、普通の動物を見るだけにとどまった。



 炎耀国億樂(えんようこくおくらく)。かなり大きな都市で、検問所もしっかりしていた。黒羽は、果たして上手く突破できるのかと自分の手枷を見る。餐央からずっと外すことが出来ずにいるこの手枷と足枷は、意外と重い。なにより、あからさまに訳ありですよ、と自己紹介をして歩いているようで気分がいいものでは無かった。服装がまともでも、やはりこれらは嫌でも目立ってしまうなと、黒羽はため息を着く。


 億樂が大きな都市なのが理由なのか、検問所はとても混んでいて、華原と黒羽は一緒にそこに並んだ。

「人が多いんだな。」

「人気都市だからね。特に、光陽(こうよう)国ほどではないけどそれなりに均衡師の仕事もあるし、治安も良いし、役所もあって管理がしっかり行き届いているから、観光客だけでなく、均衡師や商人も足を運ぶことが多い地なんだ。」

「光陽国は均衡師の仕事が多いのか?」

「そうだね。光陽国は最も多くの災獣が出ると言われている国だなんだ。そこには対災獣対処課という名前の均衡師の組織もあって、いち早く災獣を倒すために、日々鍛錬に励んでいるよ。私は無所属の均衡師だが、そういった対災獣を掲げる組織はだいたいどこの国にもあって、大抵の均衡師はそういった組織に所属していることが多いんだよ。実際、炎耀国にも、災獣対策局と呼ばれる対災獣の組織が存在する。強くなったらいずれ白翔にもスカウトとか来るかもしれないな。」


 そんな他愛もない話をしていると、あっという間に黒羽たちの検問の番がやってきた。


「え!華原さんじゃないっすか!帰ってきたんすか!」

「隣の子は・・・その様子だと訳ありの子かな?でも華原さんのとこの子なら問題ないですね。ただ、ルールなんで身分証の提示お願いします。身分証がない場合は銀貨3枚で入都ですね。」

「白翔身分証は?」

「ミブンショウ・・・?」

「――銀貨3枚払います。」


 検問の人たちは苦笑して銀貨3枚を受け取った。かくして二人はようやく炎耀国の中心地に足を踏み入れたのだ。


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