第二十話『別行動』
かなり更新が遅れてしまってすみません!
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「朝はごめんね。」
食堂に着いて少し落ち着いた頃、旺律は黒羽に謝罪した。
「いえ、大丈夫です。」
「旺律は朝いつも機嫌悪いからなぁ。」
「私もどうにかしようとおもっているのだけれどね。」
翼抄の言葉に旺律は時に否定せず苦笑いで言葉を返す。旺律本人も悪いと思っているようだ。
現在、黒羽たちの座るテーブルの上にはホットドックが並べられている。ナイフとフォークで優雅にホットドックを食べる旺律と、口いっぱいに頬張っている翼抄の対比は非常に面白い。ちなみに、猫峰はといえば、珍しく黒羽たちに突っかかることもなく、おとなしくご飯を食べている。昨日出会ったばかりではあるものの、黒羽はその様子を珍しいと思うほどには、今の環境になじみ始めていた。
しばらく談笑しながら食事を終わらせた後、黒羽たちは食堂前の掲示板を確認した。昨日の夜とは違い、各面々に細かく仕事が割り振られているようで、掲示板には紙がぎっしりと張られていた。
「第二部隊は~っと――・・・あった!」
掲示板には第一部隊の隊長補佐の部屋から順に指示が書かれていて、黒羽たちは、第二部隊の一番上に掲示されていた。各部屋それぞれ、『班』と呼ばれる形で区切られているようで、黒羽たちは『第二部隊一班』と記載されている。部屋割りが各階ごとにランダムのため、少しわかりにくい。
「お、白翔だけ別記載だな。」
「本当ですね。」
「この後白翔君は副隊長の部屋に呼び出しのようだね。」
「この後別行動になるな!」
「私たちは一度部屋に戻ってからすぐにここを出るけれど、白翔君は呼び出し時間まで少し時間があるようだから、朱雀棟の中でも探検してみたらどうかな?」
「そうしてみます。」
その後、黒羽と他のルームメンバーはその場で別れた。
(結局猫峰さん一ミリもしゃべらなかったな。)
そんなことをぼんやりと考えながら、黒羽は朱雀棟の中を見て回ることに。
朱雀棟の造りとして黒羽が知っているのは、地下一階と二階がトレーニングルーム、六階から十階までが隊員の居住場所、食堂が三階、そして大浴場が二階にあることだけだ。
「まずは一階に何があるか見てみるかな。」
黒羽は、一階は一度緊急指令で集められた時しか行っていない。そのため、何が一階にあるのかもよく知らないのだ。黒羽はその足で一階に降りる。その道中会う隊員は言わずもがななので、今後割愛しよう。
一階は、階段を降りてすぐにかなり広いスペースが広がっている。昨日集まった場所だ。そしてその奥に進むと、一つ扉があった。扉には、マジックで書いたような手書きの文字で『診療所』と書かれている。
「診療所・・・?」
黒羽はおもむろに扉をノックしてみた。特に何か理由があったわけではないが、少し気になったのだ。
――シーン――
扉をノックしても何の反応もない。
――コンコン――
もう一度ノックしてみる。しばらく待ってみるものの何の反応もない。黒羽はこれ以上ここにいても仕方が無いと、その場を後にしようとした。すると、
――ドタッ!バタバタバタッ!!――
診療所と書いた扉の先から、ドタドタと音が聞こえ、扉が開かれる。
「何!?けが!?病人!?うわぁ!!」
勢いよくドアを開け飛び出したのははだけた白衣にボサボサの髪、眼鏡もずれた、だらしない人に見えた。彼は黒羽を見ると驚いてのけぞる。なんだか悪いことをしたなと思った黒羽は、「すみません。」と謝罪する。
「特に何かあったわけではなくて・・・。」
「そうかそうか、それなら良いんだよ。」
男性は胸に手を当ててほっとした表情をした。
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