第十九話『朝活動』
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黒羽がトレーニングを終わらせ、一息ついた時には時刻はもう六時を回っていた。昨日、朝食の時間は八時だったことを思い出し、急いで部屋に戻ってシャワーを浴びる。
部屋にもバスタオルが備え付けられていて、好きなタイミングや、時間の無い時にいつでも使えるようになっているようだ。
改めて至れり尽くせりの設備だなと、黒羽は心の中で感心した。
シャワーを浴び終わり、部屋の脱衣所で着替えているタイミング。
『ジリリリリリリリリ!!ジリリリリリリリリ!!
朝6時、起床時刻です。各自速やかに起床し、朝の活動を始めてください。
ジリリリリリリリリ!!ジリリリリリリリリ!!
朝6時、起床時刻です。各自速やかに起床し、朝の活動を始めてください。』
かなり大きな起床の合図が部屋中に響いた。どうやら、起床時刻は塔内で定められているらしく、今のお知らせは塔内放送で行われたモノだ。
黒羽がドライヤーを終わらせると、
「おい!起床時間だぞ猫峰。」
「いやぁ!まだ時間あるでしょ!」
といった大声のやりとりが広間から聞こえてきた。やりとりをしているのは、声から察するに翼抄と猫峰らしい。
部屋に入ると案の定で、猫峰の布団を翼抄が引き剥がそうとしているようだ。翼抄は髪の毛もすでに整えられていて、おそらく定刻よりも早くに起きていたのだろう。旺律はどうしているのかといえば、猫峰の隣のベッドでまだスピスピと気持ちよさそうに寝ている。朝は強くないのかもしれない。
「お!白翔、帰ってきていたのか!ちょうど良かった、俺は頑張って猫峰を起こすから、旺律を頼んだ!」
黒羽が部屋に戻ってきたのの気づいた翼抄は、すぐに応援要請を頼んだ。猫峰を起こすのが大変なのは、先ほどのやりとりからも安易に想像できたので、黒羽も協力することに。さっそく旺律が寝ているベッドの脇に立ち、体を揺する。
「旺律さん、起きてください。起床時刻ですよ。旺律さん、旺律さん!」
黒羽が必死に彼の体を揺すって起こそうとするものの、一向に起きる気配がない旺律。かといって、翼抄は未だ猫峰と攻防を繰り広げているので、頼ることも出来ない。
昨日出会ったばかりの人に手をですのは気が引けるが、このまま起きないと元も子もないので、黒羽は無理矢理起こすことにする。
旺律の腹部に手を当てて、思い切り殴ろうとする。すると、寝ていたはずの旺律はそれをすっと避けて、戦闘態勢をとった。
「ねぇ白翔君、どういうつもりかな?」
「え?いえ、声をかけても全く起きる気配がなかったので力ずくで起こそうと・・・。」
「へぇ?起こそうとして?あれ、普通に当たってたら私骨折じゃ済まなかったと思うけれど・・・本当にそういう意図はなかったの?」
「え!?いや、本当に全くそのつもりは・・・」
旺律は何故か警戒を緩めることなく、黒羽をにらみ続けている。一触即発の雰囲気で、黒羽は仕方なく、戦闘態勢を取ろうとした。
「おい!お前らそんなのは良いから、起きたんなら猫峰を起こすの手伝ってくれ。もう七時になっちまう。こいつ自分の支度すんのに1時間はかかるんだからそろそろ起きないと朝ご飯遅れるぞ!」
危機一髪のところで、翼抄が声をかけてくれたことで、旺律の警戒は霧散する。黒羽は、助かったと一息ついた。
「猫峰、起きる時間だよ。そろそろ起きないと朝ご飯に遅れてしまう。」
「律様!おはようございます!今起きますね!」
翼抄が何をしてもベッドから出てこなかった猫峰は、旺律の一声ですんなりベッドから抜け出した。
「最初から旺律さんを起こせば良かったのでは・・・?」
「いや、あいつ朝機嫌悪いから、あんまり起こす役やりたくなくてな!」
「俺に押しつけたってことですか?!」
黒羽が旺律を起こすことになるのは、どうやら最初から決まっていた事項らしい。黒羽は胃をさすりながら一息つく。
「翼抄さんは準備終わってい・・・そうですね。」
準備が出来ているのか確認しようとした黒羽だが、格好からもう準備が整っていることを察して言葉を切り替えた。
それから、二人が準備を終えるまでぼんやりして待つ黒羽。旺律は30分ほどで支度を終わらせたが、猫峰顔終わらない。仕方が無いので、旺律が準備を手伝ってあげるようだ。
結局猫峰が準備を終えたのは部屋を出るギリギリの時間だった。
「急いで出るぞ。」
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