第十五話『夜のルーティン』
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大浴場の脱衣所は、黒羽がいた烈焔寮の五倍は広かった。
「入ってすぐの所にタオルと寝巻おいてあるから、一つずつ取ってから中に入るんだ!」
翼抄の指示通り、黒羽はタオルと服を持ってから、翼抄の後ろについてロッカーへ。
「脱いだ服は、部屋についてる洗濯機で洗うから、ちゃんと持ってから最後脱衣所を出るんだ。」
「わかりました。」
説明を聞いている間でも、周りの隊員のちらちらした視線が気になる黒羽。チラッと見てはそばの人とこそこそ話し出している隊員が多い。その様子にやはり不思議に思いながら、翼抄の指示にたがって風呂場へ。
基本的なことは烈焔寮で学んだことと特に変わらず、5012室の面々一列になって体を洗った後に、ゆっくりと湯船につかる。そうすると、湯船につかった四人から距離をとるようにすでに湯船につかっていた隊員が端による。大体15人ぐらいいた隊員が一気に端に詰めるものだから、そこだけ人口密度がおかしい。
「…すごく遠巻きに見られるんですね。」
思わずつぶやいた黒羽に、旺律が反応する。ちなみに旺律の隣には猫峯がぴったりくっついている。
「まぁいつものことだから、そのうち慣れるよ。」
「はぁ…」
その後、特に何の会話もなく、黒羽だけ少し気まずい気持ちになりながら四人は風呂を後にした。
「この後食堂で夕飯食べてから部屋に戻るぞ。」
「はい。」
黒羽と翼抄が着替え終わって横を見ると、猫峯が旺律に服を直してもらっていた。猫峯は背が低いため、普通に着ると服の袖と裾が余るのだ。
「いつもありがとうございます、律様!」
そういって猫峯が旺律に飛びつくのを見届けてから、移動し始める。
―――――――――――
「これが仕事が掲示される掲示板だ。明日の朝確認するやつだな。」
食堂の入り口前について、食堂に入る前に、先に掲示板に触れてくれる翼抄。夜の時点では、ほとんど掲示物は張られていなかったが、今日夕食を食べに来ないメンバーだけ貼り付けられていた。そこに、黒羽もよく知っている『紅劉』の名前も記されている。黒羽はその時は特に、それについて疑問は持たなかった。
「この掲示板は、食堂で仕事する人も確認するから、朝方は、掲示板が二か所、仕事を掲示するところと、食事に来ないと事前に連絡があった面々を掲示しておくところに分かれるんだ。」
「今日も隊長ご飯食べに来ないんだ。」
「今日も?」
「隊長は朝昼夜、どの時間帯もここで食事をすることはほとんどないんだ。忙しいのか…はたまた別の理由があるのか…それはわからないけどね。」
「では中に入ろう。」
食堂は大浴場よりかなり広く、隊員全員一緒に食事ができるのではないかと思えるほどに机も椅子もたくさんあった。ほとんどが四人掛け用のテーブルだったのを見ると、やはり基本は部屋ごとで時間が決まっているようだ。
その日のメニューは決まっているらしく、フードコートのような形で、並んで、渡された料理をお盆に乗せていくスタイルのようだ。
「おぉうまそ!今日はうどんだ!」
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