第十二話『初戦闘』
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黒羽が指示された通り、東の森へ行くと、既に戦闘は始まっていた。大きい銃弾型の災獣を中心とし、飛行型の災獣がかなりの数暴れているようだ。よく見ると、銃弾型の災獣が発射しているのが飛行型の災獣のようだ。
一体一体がそれなりの強さをしているようで、黒羽は、苦戦しているところを見つけては災獣の対処をする。まだ隊員服を渡されていないため、助けられた側は総じて驚いた表情をしている。
黒羽の移動速度も倒すスピードも速い。戦闘に慣れている黒羽は、飛行型災獣の倒し方を熟知している。その場に集まる面々は紅色隊でもトップの戦闘力を誇る第一部隊と第二部隊のはずだが、その中でも黒羽は異彩を放っていた。
「何者なんだアイツ…」
「隊員服着てないけど隊員じゃないのか…?」
そんな周りのつぶやきは黒羽には聞こえていない。
黒羽が森の周りで飛行型と戦っているとき、他にも他のメンバーと一線を画す面々がいる。その数6人。その中には、黒羽が先ほど部屋であった、アイボリーの少年もいる。
彼らは各々、力、速さ、正確さ等を武器に、飛行型や銃弾型の災獣を攻撃している。その中でも特に強いのは、薔薇色の髪をハーフアップにしている黒羽と同じぐらいの体格をした男性と、深緑の髪をおかっぱに切りそろえた少し小柄な男性だ。
薔薇色の男性は、災獣の目の前を音を出して飛び回ることで、ヤツを攪乱させている。それをしつつ、自身の衡具と思われる足先のとげで相手をほんろうさせる。深緑の男性は彼とは対照的に、全く音を出さず、静かにヤツの背後に回り込み、自身の手にある衡具のスピアで深い攻撃を繰り出している。銃弾型の災獣は、彼ら二人で対処しているといっても過言ではないほどに、彼らの動きは異彩を放っていた。黒羽は、自身の周りの飛行型災獣を倒し終わって仕事が無くなってからは、ずっとその二人を目で追っていた。もしかしたら彼らは陸と張り合えるほどに強いのかもしれない。
黒羽の動きも、他の面々からすれば、その二人と同レベルに見えているのだが、彼は知る由もない。そんなこんなで、結局、銃弾型災獣はその二人でほとんど倒してしまって、今日の緊急指令は終わった。
―――――――――
帰り道、必然的に第一部隊、第二部隊と帰路を共にしなければならない黒羽は、少し気まずい思いをしていた。というのも、彼が今着ている服は指定の隊服ではなく、あくまで普段着だったからだ。これは一重にまだ服を渡されていないからなのだが、好奇の目にさらされていることに違いはない。
(塔に戻って灸雪さんに報告したら、真っ先に隊服をもらえるように掛け合おう。)
黒羽は心の中でそう密かに誓ったのだった。
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