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ワケあり脱獄者と7人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
第一章『学びと成長』

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第五話『師匠』

本日二話目です!

少し短めです。

「戦いを教えてほしい?」

「あぁ。」

「悪いけど私は弟子をとるつもりがないんだ。そもそも、私に戦いを教えてほしいというが、君は(いん)を持っているのか?」

(いん)?ってなんだ?」

「・・・はぁ。一度私の泊まる宿に来て。教会にいたってことはどこかに泊まる金もないのだろう?弟子にする気は無いが話ぐらいはしてあげよう。」


 女性におとなしくついて行くと、黒羽(こくう)が一度泊まろうとして断念した宿の前に立ち止まった。

「ここだ。」

 女性が受付処理をしている時、黒羽は気まずそうに女性の後ろに隠れていた。受付にいた少女は、それにクスリと笑いながら、女性に「村を守ってくださったので追加のお代は結構ですよ。」と返していた。


 黒羽は迷子にならないように女性の後ろをついて行く。部屋は二階の一番奥の部屋だった。女性はベッドの上に座ると、黒羽を見ながら、座れというようにベッドの上を叩いた。


「まず、私は現在無所属で均衡師(きんこうし)をしている華原(はなつばら)という。少年は?」

白翔(はくと)だ。」

「そうか。で、どこまで話したっけ。」

(いん)?とかいうものの話だ。でもその前に『均衡師(きんこうし)』ってなんだ。」

「――そこからかぁ。」

 女性―華原(はなつばら)―は頭を抱える。そして説明をしてくれる。


――『均衡師』。

 それは、災獣を倒すための職業。均衡師はどこかの組織に所属している者がほとんどで、華原のような無所属の均衡師はほとんどいない。


「それで、印っていうのは、災獣を倒すのに向いた能力があることを表す証のようなものだよ。」

 華原はそう言うと、右手の手袋を脱いで黒羽に見せる。

「これがその印のうちの一つ。印には、守りに特化した『守術(しゅじゅつ)の印』、攻めに特化した『侵術(しんじゅつ)の印』、補助に特化した『補術(ほじゅつ)の印』、回復に特化した『救術(きゅうじゅつ)の印』がある。私の持つこの印は『侵術の印』だ。私のように戦えるようになるにはまず前提としてこのどれかの印があることが前提だ。これらの印は5歳~6歳、遅くて10歳までには体のとこかに発現すると言われている。もし白翔に才覚があれば体のどこかに印が現れているはずだ。」


 黒羽は自分の背中の紋はどうなのかと気になった。自分が5歳の時に発現した紋様はもしかしたらそのどれかかもしれない。


「実は5歳の時に俺も紋様が背中に浮かび上がったんだ。これは、その4つのうちのどれかだろうか?」


 黒羽は服を脱いで背中の紋様を華原の前にさらした。


「?!これは・・・ちょっと待て。」


 華原はそう言うと片手を耳に当てて誰かと通信をし始めた。

「――あぁ――あぁ・・・――そう――・・・それで―――・・・・・・――頼む――」



目をつぶりしばらくして、華原は黒羽に話す。

「白翔、その紋様は今まで誰かに見せたことは?」

「少しだけ俺を保護してくれていた人に一度だけ。」

 黒羽は腕を少し上げて自分の手枷を見せる。華原は少し悩んで再び口を開く。

「分かった。いいかい、今後絶対にその紋様を人に見せてはいけない。そして、君を私の弟子として迎え入れることとしよう。夜も更けてきているから詳しい話はまた明日改めて。で、白翔はどこに向かう予定だったんだ?もしどうしてもであれば私も予定を変更するよ。」

「え?なんで俺がこれから向かう場所があるって知ってるんだ?」

「災獣の依頼を村の人から聞いた時に、旅の途中で今ここに滞在してる少年もいるって話を聞いたんだ。それ、君のことだろう?」

「ああ、そうだ。俺は炎耀国(えんようこく)に向かう予定で。」

「おぉそうなのか!良かった、私も今ちょうど炎耀国に向かう道中だったんだ。そうだね、明日早朝にはこの村を出るよ。次の村には少し距離があるから、途中馬宿で馬を借りて行こう。そのときにいろいろとこれからの話をしよう。」

「あぁ、分かった。」

「あとそれ!私は今日から君の師匠になったんだ。だから基本敬語、分かりました、だ。」

「分かりました。」

「よろしい。ではシャワーを浴びて就寝しよう。」


 その日、黒羽はこの先の人生で最も重要な出会いを果たしたのであった。


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