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ワケあり脱獄者と6人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
炎耀国編

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第五話『誤解』

本日の更新です!

「いつまでもウジウジしてんじゃないよこの馬鹿弟子が!!」


 黒羽は、大きな音と共に蹴破られたドアの方を見て唖然とした。


「な、なにやってんだあんた!」

「話がある!ちょっと私の部屋にこい!」


 華原はそういうと、ベッドに潜っている黒羽を担ぎ上げて自分の部屋に連れていく。


「離せよ!俺は邪魔なんだろ!」

「いいから黙って話を聞け!」


 華原はそのまま黒羽を自分のベッドの上におろす。


「いいか!私が君にここに居るべきじゃないといったのは、別に君が邪魔だとか、嫌いだとか、そういう意味じゃない。」

「…どういう、ことですか。」

「――私が君を弟子にすると決めたとき、私は君に強くなってもらわなければならないと言ったな。それはなぜだったか覚えているか?」

「???」


 黒羽は首をかしげる。 


「…はぁぁぁぁぁぁ。それは、君が、全能印持ちだからだ。もしこれが普通の印であったなら君がここに居たいといっても私は特に何も言わない。でも、君は違う。全能印というのは、この世界で唯一君しか持っていない、特別な印で、頂点に君臨する力だ。だから、君はこんなところでくすぶっていていい人間ではない。むしろ、その強い力の正しい使い道を知るために、世界を見て回るべきだ。君はそれだけの力を持っている。そして、その力を使えるようになった今、それは君の責務だ。」

「華原さん…」

「私は前に言ったな?その力は、その力が必要なだけの何かが起こっているから表れているのではないか、と。」

「はい。」

「しかし、あくまでそれは私の予想であって、何かを見てきての発言ではない。だから、その印を所持している君自身が、世界を見て回って、その力の使い方を知れ。学べ。君の持つ力は君しか使えない。そしてその力はいずれ必ずこの世界の誰よりも強大になる。だから、君は世界に飛び立たなければならない。君がここに居るべきではない、とはそういう意味だ。その点、組織に所属する、というのは、その信用の分だけ無所属での活動よりも依頼の幅が広がる。特に紅色隊は最近功績を多く残している組織だ。ここに所属できるならそれに越したことはない。」

「そういう、意味だったんですね。早とちりしてしまってすみません…。そうですね、俺は全能印をもって生まれてきてしまった。この印がそれほど強大なものであるということを失念していました。俺は、この世の困っている人を救いたいんです。俺の力が、その役に立つなら、紅色隊に入ることがその手段の一つになりえるなら、所属しようと思います、紅色隊に。」

「そうか。…私が提案した手前、言っていいことではないと思うが…寂しくなるな。」


 華原はそういうと、せつなそうに笑った。黒羽はそれにつられて今までのここでの生活を思い浮かべて、少し泣きそうになる。それでも、ぐっとこらえて言う。


「生涯会えなくなるわけではないじゃないですか。」

「それもそうだな。」


 二人で、いい雰囲気の中笑いあった。



「――そうだ、一つ君に伝え忘れていたことがあったな。」

「伝え忘れていたこと?」

「あぁ。離れたところに居ても通信する方法だ。何度かやってるのを見ただろう?」


 通信というのは、片手を耳に当てて、近くにいない人とでも会話できる、均衡師同士でのみ成り立つ伝達方法だ。


「これは、お互いの衡力を相手に認識させる必要がある。何、そんなに難しいことじゃないさ。何かあった時に相談できる先があったほうが君もいいだろう?」

「はい。というか、そんな便利なものがあったならもっと早く教えておいてほしかったです。」

「すまん、失念していた。」

「それで、どうやるんですか?」

「簡単だ。向かい合って両手をつないで、衡力を放出したまま『通信』と唱えるだけだ。簡単だろう?それで回路をつないだら、どこにいても通信ができる。」

「なるほど。」


 そのまま、二人はその場で回路をつなぐ流れに。二人同時に『通信』と唱え、無事回路はつながった。


「それで、どう使うんですか?」

「使い方は簡単。衡力を手に圧縮させた状態で、衡具は作らず、そのままその衡力を耳に当てて心の中で『通信』と唱えるだけだ。通信したい相手を思い浮かべるとその人と通信できるよ。」

「なるほど。やってみます。」





 無事にうまく通信ができることを確認した黒羽は、その夜、師匠全員と通信回路を構築したのだった。


読んでいただきありがとうございます!

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