第四十五話『集大成』
本日二話目です!
キリがいいので短めです!
その日は、いつもよりも外が荒れている気がした。黒羽は、いつも通りの時間に起き、梗曰たちと朝食をとっていた。
その時だった。
「キャーー!!」
突然外から悲鳴が聞こえた。箸をおいて、急いで外に出て確認すると、声の聞こえた先には見覚えのある黒いモノ。
「災獣か!!」
今まで師匠たちと森で戦っていたモノたちよりも明らかに大きい、銃弾型の災獣だ。
「みんなこちらへ!」
梗曰は急いで外にいる住民を自分の家に連れて行こうとした。しかし、災獣の攻撃が強力で、思うように動けないでいる。
まだ師匠たちの来る時間よりも早かった。今なんとかできるのは黒羽しかいない。一瞬、昔の教会での出来事が頭をよぎり、足がすくみそうになる。
(何してんだ。何のために戦える力を身につけたんだ俺は!!)
恐怖が全くないわけではない。しかし、その恐怖心は、村の人が死ぬことの怖さより何倍も軽い。黒羽は気を引き締め、衡具を出現させて、相手に近づいていく。
――ズギャン!! ズギャン!!——
災獣の攻撃の威力はすさまじく、其の儘当たればひとたまりもない。地面はえぐれ、木々はなぎ倒される。黒羽は、しっかりと相手の攻撃を見て、ピンポイントで防御をする。これがもし全体防御なら貫通されていただろう。
(荘隆さんの教えがなかったら死んでた…!)
まずは、災獣が出現させる攻撃の球を破壊しなければならない。姿勢を低くし、すごい速さで災獣に近づく。補術では攻撃の威力が心もとないと考え、侵術で一つずつ球の破壊を試みる。すると、数個破壊されたところで、気づかれてしまい、攻撃をもろに食らってしまう。
「グアッッッ!!!!」
地面にたたきつけられる黒羽。しかしここであきらめてはいけない。急いで態勢を立て直し、今度は、少し離れたところから、一気にすべての球の破壊を試みる。補術でも威力は十分だったようで、すべての球が破壊された。怒った災獣は、けたたましいうなり声をあげて、黒羽に集中攻撃を始める。黒羽は走って避けながら災獣に近づくと、災獣の身体を衡具でぐるぐる巻きにする。衡具の軋む音と共に、災獣の体が締めあげられる。
「これで終わりだ!!」
一瞬世界が静まり返った。
――ドゴォォォォン!!!――
拳をお見舞いされた災獣は、霧散していった。今までの師匠たちの教えを忠実に身につけてきたことが、今回の勝利につながったのだ。
「素晴らしかったぞ。」
いつの間にか、華原が様子を見ていたようで、茫然としている黒羽に近寄って声をかける。
「俺…やれましたか?」
「あぁ。だいぶ成長したな。」
黒羽は華原の言葉に、ようやく災獣を倒した実感がわき、頬を高揚させて達成感をかみしめた。村の人たちも黒羽に詰め寄って、口々にお礼を言う。
「あんたのおかげで村が救われた!!」
「本当にありがとう!!!」
そして、
「さすが華原さんの弟子だ!」
そういってもらえた時、黒羽はいままでの頑張りを改めて実感し、とてつもなくうれしくなった。
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