第四十一話『手当て』
本日二話目の投稿です!
「華原さんたちおかえりぃ。」
「今日も討伐ありがとうなぁ。」
村の入り口では、先ほどの門番の人たちが出迎えてくれる。
「今日はうちの弟子が討伐したんだよ。」
少し自慢げに華原が話すと、門番の人たちは黒羽に寄っていった。
「坊ちゃんが倒したのかい!やるじゃぁねぇか!」
「これは今夜はお祝いしないといけねぇねぇ!」
そういいながら、二人は黒羽の頭をわしゃわしゃとなでる。黒羽は少し気恥ずかしく思いながらも、自信も初の討伐を成功させたことがとてもうれしく、素直にお礼を述べた。
しばらくそうしてじゃれ、いい具合に落ち着いたところで華原が声をかけた。
「そろそろ村長に討伐の完了を伝えにいこう。」
「はい。」
村長は村の一番奥の、少し大きい家に住んでいるらしい。この村の建物にはインターフォンはなく、扉をノックして来訪を伝えるシステムだ。
「村長さん、いらっしゃいますか?」
華原が村長宅の扉をたたいてそう声をかけると、しばらくして村長が出て来る。
「華原さん!その様子だと、依頼は完了したんですね?」
「はい。この紙に証明のサインをお願いします。」
「わかりました。今回の討伐は修行のお役に立ちましたか?」
「はい。今回はうちの弟子が頑張って倒してくれて。」
「それはそれは!——はい、これ依頼書ですね。」
村長さんは、依頼書にサインをかいて華原に渡すと、黒羽にも礼を言おうと彼の方を見る。すると、すぐに彼の頬に切り傷があることに気が付いた。
「おやおやこれはこれは、きれいな顔に傷ができているじゃないですか。お上がんなさい、奥で手当てしましょう。」
村長はそういうと、華原が断りを入れる前に黒羽の腕を引いて家の中へ。彼を一人にするわけにもいかず、華原も後ろをついていく。廊下を少し進むと襖があり、その先はお座敷になっている。
「今絆創膏を持ってまいりますから、少し待っていてくださいね。」
黒羽や華原が何か言う間もなくどういうと、村長は部屋を出ていってしまった。いまは座敷の中で華原と二人きりだ。
「…いいんですかね、甘えてしまって。」
「――…まぁ、いいんじゃないか?断っても問答無用で手当てしそうな勢いだったし。」
「確かに…。」
その後二人で、村長が戻るまで襖を見て待っていた。
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「お待たせしました。」
そうして帰ってきた村長の手元には茶色い小さな木箱がある。黒羽のそばに座り、その木箱をあける。中は救急箱のようだ。
「少し消毒をしますね。」
そういうと、村長は、ガーゼを水で濡らして彼の傷口を拭いた後、小鬢に入れられた液体を再び彼の傷に乗せる。
「それは何の消毒なんですか?」
黒羽の質問に村長が答える。
「これは鹿繊という薬草を擦ったものと水を混ぜたものです。傷薬として使われることも多いんですよ。」
その言葉に華原が補足した。
「鹿繊を使った消毒液は、どこの国でも一般的に使われる薬だ。特に、億樂の消毒液は、この村から購入しているものだ。」
「そうなんですね。」
「はい、これで大丈夫です。」
「ありがとうございます。」
「いえいえ。あ、そういえば、お弟子さんのお名前、聞いていませんでしたね。名前をうかがっても?」
「白翔と申します。」
「白翔くんですか。改めて、この村の村長をしております、梗曰と申します。本日からよろしくお願いいたしますね。」
「はい。よろしくお願いいたします。」
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