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ワケあり脱獄者と6人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
修行編

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第三十五話『協会』

本日三話目の更新です!

 三日後、華原と黒羽は朝から協会に来ていた。


「予約していた華原だ。」

「華原様ですね。お待ちしておりました。後ほどお呼びいたしますので、それまであちらの椅子でお待ちください。」


 協会は二階建ての大きな建物で、塔に近いところにある。黒羽は、指示されたように席に座り、他の利用者をぼーっと眺める。すると、何人か全く同じ格好をした利用者が来ていることがわかる。


「なんであの辺の利用者はみんな同じ服を着ているんですか?」

「あぁ。どこかの組織に所属しているんだろうね。組織に所属っていうのは大体二パターンあるんだ。一つは、既に均衡師としての戦闘を経験したことがあり、スカウトや入隊試験で所属するパターン。もう一つは、均衡師になりうる力は持っているが、まだ力が使えない、修行から入る部隊に所属するパターンだ。後者の場合、実際に衡具が生成できるようになったら、組織の先輩が先導して協会に申請に来るんだよ。」

「なるほど。ってことは、あの服の人たちは基本俺と同じような立場なんですね。」

「まぁそういうことになるかな。」


 華原も黒羽と共にしばらく周りを眺めていた。そして、ある一点で視線がふと止まった。驚いたように目を見開いている師匠の様子に違和感を感じて、黒羽は視線の先を追う。


 そこには、肩にかからない程度の赤い髪をした、背の高い男性がいた。


「…ごめん、白翔。少し席を外すよ。」


 華原は黒羽にそう告げると、まっすぐその男性の方へ歩いていく。ちょうどその時、


「華原様ぁ。」


 と、黒羽の番が回ってきてしまった。華原に何も告げずに向かうのはき毛引けたが、仕方がない。彼は華原を置いて受付に行く。


「本日申請に来られました、白翔様でよろしかったでしょうか?」

「はい。」

「はい、ありがとうございます。それでは、こちらの紙をもって二階に進んでください。白翔様は衡具の発現にて能力の確認を行うということですから、二階で衡力値を測定した後、直径1.5mほどの丸い台がある所に並んでくださいね。」


 どうやら華原は、衡具での認定で予約を取っておいてくれたらしい。黒羽は受付の指示通り二階へ向かう。二階へ上がると、見覚えがある測定器の大きい版がある所に、人がたくさん並んでいた。黒羽も素直にそこに並ぶ。前に並ぶ人たちは、全員同じ格好をしていて、全員が同じ組織に所属していることがわかる。後ろから来た人も同じ格好をしている。


 黒羽が少しいたたまれない気持ちになっていると、後ろから来た同い年ぐらいに見える青年が声をかけてきた。


「あんた、もしかして無所属?」


 深い赤の髪にそばかすの散った彼の目には軽蔑の色はなく、黒羽のことを興味深く思っているようだった。


「あぁ、無所属だ。」

「ほぇぇ、やっぱそうなんか!無所属の均衡師なんて本当に存在するんだな!」

「?どういう意味だ?」

「だってよ、組織に所属したほうが金も稼げるし、実践にもいっぱい参加できんじゃん?所属したほうが得が多いべ。」

「そうなのか?」

「おうよ!俺が所属してる朱雀塔の紅色(べにいろ)隊の上層部なんて、聞けば月に白金紙一枚は下らないって聞いたぜ?」

「紅色隊?」

「なんだよ!知らねぇのかよ!所属すれば将来安泰って言われてる、朱雀塔の対災獣組織!俺も申請通ったらたくさん討伐に参加するんだ。」

「そうなのか。うまく申請が通るといいな!」


 嫌味もなく笑顔でそう返す黒羽に、青年は元気に返事をする。


「次の方~」


 そんな話をしていると、気づけば黒羽の番になっていた。黒羽は慌てて水晶の前まで向かい、受付で渡された紙を渡す。


「では、そこに手をかざして『測定』と詠唱をお願いします。」

「――測定——」


 測定器は、自分あてに数値が見える形の烈焔寮で使っていたものとはシステムが違うらしく、数値は相手側にしか見れないようだ。


「これは…———すみません、もう一度測定お願いします。」


 担当の人は、なぜか眉間にしわを寄せながら、再測定の指示を出してきた。何かうまくいってなかったのだろうか。不安に思いながら、黒羽はもう一度指示された動作を繰り返した。


「?はい。――測定——」


 しばらくして、やはり担当者は眉間にしわを寄せていた。そして、


「…少々お待ち下さい。」


 と一言づげ、部屋から退室してしまった。

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