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ワケあり脱獄者と6人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
修行編

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第三十四話『衡具』

本日二話目の投稿です!

 衡力圧縮の訓練を開始してから早三か月。黒羽は衡力の圧縮がだいぶできるようになっていた。


「あと少し、もう少し手元に圧縮できれば、あとは衡力変形で衡具が作成できる!」


 軍嶺たちから励まされたあの日から、黒羽は前向きに、華原のアドバイスを受け入れながら、だんだんと衡力の圧縮ができるようになっていた。今では、右手から半径1mほどまで圧縮できる。


「半径50㎝まで圧縮できるようになったら、衡具の生成訓練に移るからな。」


 一度、手ごたえを感じるほどに圧縮できてからは、みるみる圧縮がうまくなっていった黒羽。訓練を開始してから二か月は、まともに圧縮ができなかったのだが、少しできるようになってから一か月で、此処まで成長したのである。感覚がつかめるようになるまで時間がかかったが、今では黒羽自身、はやく衡具の生成訓練に移りたくてうずうずしている。


 陸と荘隆は、華原が前に話していたように、時折災獣退治に駆り出されるようになってしまった。とはいえ、月に一度ほどのペースなので、基本は訓練をしてくれるが。






 黒羽の衡力が、だんだんと圧縮されていく。5㎝、10㎝、だんだんと手元に収縮されていき、ついにその時はやってきた。


「半径50㎝までの圧縮に成功したな!」


 それから、衡力を変形する訓練がそのまま始まった。


「どんな形の衡具にするんだ?なじみがあるものだと、形が安定しやすいが…」

「衡具の形は、前から決めていたんです。」

「何の形にするんだ?」


 黒羽は、質問に、実際にやって見せる。衡力の形がだんだんと変形していく。圧縮を成功させた黒羽にとって、衡力を変形させることはそこまで難しいことではなかった。そもそも、衡力を圧縮させるということには、衡力の形、動かし方、衡力の認識を鋭利にする、等の役目もある。そのため、衡力の変形に躓かない人は世間でも多い。


「ほう。鎖か。」

「はい。武器にもしやすいですし、なによりとてもなじみ深いものですから。」


 そこからは、衡力圧縮の工程を含まずに衡具を生成する訓練に切り替わった。鎖が相当想像しやすかったのか、作ってみた鎖は非常に形が安定していたからだ。


 衡力の圧縮にはまだ時間がかかった。一回圧縮するのに、短くても30分は時間を要する。


「これからは、衡力放出の時間も生成に費やそう。そもそも、衡力放出は、衡力の質と量を増やすために行っていた工程だ。これは、衡力の圧縮でも培うことができる。だから、これからは、午後は衡具生成にすべて費やすこととしよう。」


 黒羽は、ようやくここまでこれたことに非常に歓喜した。修行を始めてから一年半、ようやく武器が使える、戦えるようになる未来が顔を出す。





 それから、黒羽は毎日衡具生成の訓練を行った。はじめのうちは、衡力を放出し、時間をかけて圧縮して衡具を作成していたが、だんだんと圧縮の速度が速くなり、わずか一週間で放出、圧縮を経由せず衡具を出現させることができるようになった。


「さすがだな。」

「ありがとうございます。」

「そしたら、今度は協会に均衡師認定を受けに行かないといけないな。」


 均衡師協会。それは、均衡師への依頼の斡旋を行ったり、均衡師としての能力の有無を判断し、能力が認められた場合正式に均衡師認定を行うったりする機関だ。組織に所属していようがしていなかろうが、均衡師としての仕事をするのに協会の認定は必須事項である。


「衡具の使い方に慣れてもらうためには、実戦で様々な視点や可能性を見つけることが手っ取り早い。協会での認定証がなければ原則として、衡力を使った戦闘は認められていない。仮にほかの人の依頼を軽く手伝う、という場合においてもだ。その場合、手伝わせた側の認定証の失効及び、認定証未所持で衡力を使用した場合、金紙5枚以上の罰金が科されるんだ。だから、訓練の前に教会に申請に行かないといけない。そうだな、確か申請には予約が必要だった気がするから、確認しておくよ。」




 そして、三日後、協会に足を運ぶことになったのである。











――――――――――――――

〈補足〉

お金について

銅貨一枚=1円        銅紙一枚=10円

銀貨一枚=100円      銀紙一枚=1000円

金紙一枚=10000円   白金紙一枚=10000000円




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