第二十四話『成長』
本日二話目の投稿です!
黒羽が烈焔寮に来てから今日でちょうど一年。数日前に16歳の誕生日を迎え、みんなにお祝いしてもらった黒羽は、今日、最初に計って以来初めての衡力値測定を行う。
一年前とは違い、もう自力で起きることが当たり前となっていた黒羽は、いつも通り朝5時に起きて支度をする。髪の毛は少し伸びて、ポニーテールをしても毛先が腰に届くほどになっていた。身長も伸び、今では師匠の中で比較的背の低い葉港や陸よりも背が高い。165㎝といったところだろうか。あばらが浮くほどにやせ細っていた体は、見事に鍛え上げられ、腹には六つに割れたきれいな腹筋が見える。今にも散ってしまいそうなほどに儚く美しいかった少年の顔立ちは、今では少年と青年が混ざったような、どこか危険な色気を醸し出す端正な顔立ちへと変貌を遂げていた。
朝の準備を終わらせ、早々に食堂へ行くと、そこでは先に荘隆が食事の準備をしていた。
「おはよう、黒羽。」
「おはようございます、荘隆さん。今日は荘隆さんがご飯当番なんですね。」
烈焔寮に来た当初無口だった荘隆は、慣れると意外と話を振ってくれるタイプだったようで、最近では風呂でも一緒になると世間話をしたりするようになった。今でも口数が多い方ではないが、陸が言うには少々人見知りだそうだ。
「訓練を始めてから一年、今日は再測定日だが自信のほどは?」
「まずまずですかね。数値で確認するのは俺も一年前以来なので、少し楽しみです。」
「基礎能力が向上しているかどうかは、最初の時のように俺と陸が確認するのだと思うが、まぁ、大丈夫だろう。気負いすぎずな。」
「はい、ありがとうございます。」
それから、朝ごはんの支度を少し手伝い、一緒に朝食をとって、黒羽は訓練場に向かう。荘隆はこれから陸を起こしに行くそうだ。
訓練場にはまだ誰もおらず、早朝の冷たい空気が少し流れ込んでくる。黒羽は、肌寒いなと腕をさすった後、軽く温まろうとランニングをする。
最初と比べて走るペースは段違いに上がり、走る姿勢もきれいになっている。疲れをみじんも感じさせない表情から、体力もかなりついていることがわかる。訓練場を15周ほど走ったところで水分を取り、軽くストレッチをしていると華原がやってきた。
「なんだ、まだ君しかいないのか。」
「おはようございます。」
「おはよう。今の時間は…6時40分ぐらいか。あと少しで皆来そうだな。」
「はい。」
「どうだ白翔、今日の測定、自信はあるか?」
黒羽はその質問に噴き出す。
「ふっはっはっはっは!それ、今朝荘隆さんにもいわれましたよ。」
「なんだ、荘隆と会ってきたのか。」
「はい。朝ごはん食べに行ったときにちょうど作ってらして。陸さんを起こしに行くからってことでここには俺だけで来たんですけどね。」
「あぁなるほどな。ってことはそろそろ――」
――ダダダダダダダダッ――
「おっはよーシロちゃん!華ちゃん!」
「おはよう華原。白翔はさっきぶりだな。」
「おはよう、二人とも。」
勢いよく走ってくる音に続いて訓練場に来たのは陸と荘隆、そしてそれに続くように葉港も入ってきた。陸は黒羽の事をシロちゃんと呼ぶようになった。
それからしばらく待っていると――
「おはよう!いい朝だな!」
「おはよ~。遅くなってごめんね!」
残りの二人、軍嶺と司漣も到着した。
「で、白翔、自信のほどは?」
その質問に黒羽と華原、荘隆は笑う。質問をした軍嶺はきょとんとした顔だ。
「今日、その質問三回目なんですよ。」
それからみんなで笑いあい、少し団らんした後で、華原が声を上げる。
「では、白翔がこの一年でどこまで成長したか、測定しよう。」
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