第二十一話『捌き方』
本日二話目の投稿です!
「お!おはよ~!華ちゃんから聞いたよ~?起こされたんだって?」
黒羽が訓練場へ入ると、既に陸と荘隆が待機していて、黒羽の様子を見るなり、陸が声をかけて来る。
「ちゃんと準備もバッチリみたいだね!じゃぁ、さっそく基礎トレーニング始めようか!まず最初は準備運動でき次第マラソン10㎞!マラソンは荘隆がついてきてくれるよ!」
「…あぁ。」
マラソンは、訓練場をひたすら走るだけらしい。訓練場の真ん中には陸が立ち、荘隆は黒羽と共に走る。黒羽は速やかに準備運動を終わらせ、開始位置についた。
「じゃーいくよー!よーい…ドン!」
陸の開始の合図に合わせて走り始める。黒羽は前回のような失敗をしないように、ゆっくり目に走り始める。
「…遅くないか?」
しかし、悲しいかな隣には荘隆がいて、そんなことをつぶやいてくる。師匠がそう声を掛けたらどうしてもスピードを上げるしかなく、少しスピードを上げる。それでも隣から小言を言ってくる荘隆。それに躍起になってスピードを出しすぎて、又前のように倒れるかと思われた。しかし、今回は前回とは違い、そうはさせない人間が隣にいる。そのため、疲れて倒れたくても、体力が限界でスピードが遅くなってもそれが許されない。
「…そんなもんか。」
「…まだ残ってるぞ。」
「それは走ってないだろ。」
結果、黒羽は10㎞をほぼ全速力で走らされた。肺は燃えるように熱く、足はもうがくがくだ。そして、その場にあおむけに寝転がって休憩しようとする。
「休憩時間10分ね!そしたら次のメニューいくよ!」
陸はそんな黒羽を許してはくれない。結局基礎トレーニングはどれも陸と荘隆のどちらかが一緒にやるために休む暇もなく、自分のペースよりも早い時間を求められ、既に黒羽はへとへとだった。
「さて。それじゃ、動体視力の訓練まで行ったし、まだ時間はあるから体術を学んでいこう!基本的にできるようになるべきなのは、相手の攻撃をいなすことと、相手に不意を突いて攻撃を仕掛けることだね。まずは相手の攻撃のいなし方を教えないと。あたしはだいぶ自己流だから、こういうの教えるのは荘隆の方が向てるんだよね。ってことでよろしく!」
「わかった。」
黒羽と荘隆は向かい合うと、荘隆はゆっくり実践をしながらおしえてくれる。
「攻撃を捌くとき、基本的には自分の力を必要としない。相手の力を活かして、攻撃を受け流し、体制を崩させるのが目的だ。白翔、何か攻撃を仕掛けてみろ。」
黒羽は、指示通り、荘隆の顔をめがけてパンチを繰り出す。しかし、よけられたと思い瞬きをしたら、気づけば自分は地面に転がっていた。
「今のはお前の攻撃の勢いをそのままに、外側に受け流したんだ。攻撃されたら、自分のよけやすい方向にサッと体をずらし、相手の攻撃を手や足を使って外にそらすんだ。俺がゆっくりお前に攻撃するから対応してみろ。」
「わかった。」
それから、荘隆の攻撃を受け流す訓練が始まる。
「避けるのが遅い!」
「動きが大きすぎる!」
「目をつぶるな!ちゃんと相手を見ろ!」
「避ける方向が違う、それじゃ攻撃当たるぞ。」
何度もトライしては指摘されるを繰り返す。黒羽は、指導を受けながら、「荘隆さん意外としゃべるんだな。」なんてのんきなことを考えていた。
「余計なことを考えるな!集中しろ!」
案の定怒られる。そんなこんなで、組手を一時間やったところで、だんだんと褒められるようになってきた。
「いまのよかったぞ。」
「そう、そうだ。」
「うまいじゃないか。」
それからさらに30分、黒羽もだいぶ捌き方が体に入ってきたようで、注意されることはあまりなくなった。
「上達が早いな。」
「すごいねぇ!」
あまり早くない攻撃なら何度も捌けるようになってくる。そうすると黒羽もだんだん楽しくなってきた。
「そろそろ黒羽も捌けるようになってきたから、陸と実践だ。」
「黒羽くんよろしくねぇ!」
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