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ワケあり脱獄者と7人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
第一章『学びと成長』

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第十六話『伝説』

本日一話目です!

二話は22時に投稿予定です!

 華原は、訓練場に準備された透明な球を指しながら説明した。


「これは、衡力値の測定器だ。衡具の話をしたときに一度軽く説明したが、もう一度『衡力』について詳しく説明しよう。


『衡力』というのは、印が発現した者が扱える特別な力のことを指す。印というのは災獣を倒せる可能性を秘めるものだと前に話したことを覚えているかい?あの時は軽くそう説明したが、厳密にいえば少し違う。そもそも、なぜ衡力で作られた衡具での攻撃が災獣に通るのか。それは、この世のあらゆるものに耐性がある災獣というモノが、唯一、衡力にだけは耐性がないからなんだよ。だから、衡力で作られた衡具で災獣を倒すことができる。では印を持たない者は災獣と戦えないのか。答えは否。印を持たない者でも、衡力をまとった武器で戦えば災獣の対処をすることは可能なんだ。実際、この世には印がなくとも、均衡師をして居る者はいる。しかし、逆に言えば彼らはそういった武器、助けがなければ災獣と戦うことはできない。つまり、印とはその人自身の力のみで災獣に対抗できる力を持つ証、ということになるんだ。


さて。説明も済んだところで早速計測を…と、言いたところだけど、使い方わかんないよね。陸、やって見せてあげて。」


 衡力の説明を終えて、華原は陸に先に測定をやってみるよう頼む。彼女は素直に了承し、つけている手袋を外すと、球に手をかざす。


「——計測——」


 陸のその言葉に球は淡く青色に光る。


――ウィン――


 しばらくすると、光が消え、そんな音と共に球の上にウィンドウが表示された。


――――――――――


印    侵術印

衡力量  1892/1892

練度   965

耐久   670

圧縮   1024


――――――――――


「陸、ありがとう。ではそれぞれ詳しく説明していこう。まず、衡力量。これは、単純に現在使える衡力の量のことだ。これが尽きない限りは衡具は何度でも作り直せるし、何度も使えるが、尽きると使えなくなる。次に練度。これは衡力の質だ。衡具を作り出して攻撃を与える時、練度が低い人より、高い人の方が必要な効力量は少なくて済む。次に耐久と圧縮だが、これは過去に作り出した衡具の、耐久、圧縮のそれぞれの最高値だ。耐久は、その衡具が相手からの攻撃にどれだけ耐えられるか、圧縮は、自身の衡具にどれだけの衡力量を注ぎ込めるか、という値になる。


 大体一般的な均衡師は、衡力量が200、練度100、圧縮300、耐久は戦った相手によって数値が上下するので省くが、以上が平均とされる。それぐらいの数値であれば、ある程度は戦えるし、組織でも普通に食べていけるレベルには仕事が回ってくる。で、この陸の値についてだが。


均衡師の中でも最高レベルに強いとされる均衡師は、およそ衡力量2000、練度1000、圧縮900ぐらいだといわれているんだ。つまり、陸はその最強レベルの均衡師とおよそ同等の力を有しているということになる。そして、陸の衡力値は、ここに住む我々の中で最も低い数値だ。それがどういう意味か…——分かるね?」


 黒羽が最初、師匠たち面々と対面したとき、華原は彼らを「均衡師の師とするのに十分な人員」だと明言していた。そして、その中で最も衡力値が低い陸でさえ、最高レベルの均衡師であるのだ。つまり、黒羽は、これから、最高レベルの均衡師六人を師として修業を始めるということになる。その事実に黒羽は戦慄した。これから自分は、最高レベルに強い人たち六人に稽古をつけてもらいるのかと胸を躍らせる。


「さて。今度は白翔の番だね。さっき陸がやったように、この球に手をかざして、『計測』と唱えるんだ。」

「——計測——」


――――――――――


印    測定不能

衡力量  678/678

練度   0

耐久   0

圧縮   0


――――――――――


「衡力量678…?」


 華原はその数値に彼の異常性を見出す。先ほど測定した陸が最高レベルの値であったがために数値が低いように思われるが、黒羽の数値は、一度も衡力を使ったことのない人間の値としてはあり得ないほどに高い数値だった。衡力量というのは、鍛えれば鍛えるほど多くなっていくものである。ここに住む面々は、もう何年も均衡師として働き、実践を積んだ歴戦の戦士たちであるからこそなのだ。彼らも最初から数値が高かったわけではない。これから訓練を始めますよ、という人の最初の測定として一般的な衡力量は50、上振れても100行くかどうかなのである。


 黒羽がかつてどこかで修業をしていたのかもしれないという考えは、練度が0の時点であり得ない。衡力量のみを上げる修行があるのでは、ど考えられるかもしれないがそんなものも存在しない。つまり、彼は本当に何もしたことがない、まっさらな状態で、いくつもの仕事をこなすその辺の均衡師よりも、衡力量が多いということになる。


華原に続き、他の二人も数値を目にして目を見開いた。そして息をのみ黒羽を見つめる。

その瞳には、信じられない素質を持つ彼への恐怖と、これからの成長に対する期待が渦巻いていた。



彼女たちはもしかしたらこれから、伝説に手をかけようとしているところなのかもしれなかった。


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