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ワケあり脱獄者と7人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
第一章『学びと成長』

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第十二話『枷』

本日一話目の更新です!

二話目は22時に出します!

「見えてた…?!あの戦いすべてか?!」


一番最初に驚きの声を上げたのは華原(はなつばら)だ。


「君にそこまでの才覚があるとは思っていなかったな…いや、さすが全能印の持ち主といったところか…?」

「どういう意味だ?」

 軍嶺(ぐんれい)の疑問の声に返したのは、華原ではなく葉港(はこう)だった。


「全能印というのは、前例が一つしかないから非常に謎が多い印なの。ただ、他の四種とは明らかに違う印であることは前提とされているわ。四種の印の力が全て使える、ということ以外にもね。ただ、それがいったいどんな差なのかは詳しく書かれている書物はないのだけど…。そこに身体能力や五感能力の上昇があったとしても何ら不思議はないわね。」

「白翔、君は先ほどの戦いで何が起きていたのか説明できるか?」


華原の質問に、黒羽は先ほど見たままの戦いをそのまま口頭で説明した。


「――…すべて合っているな。本当はそれぞれの印同士の戦いをすべて見せてイメージをつかんでもらったうえでゆっくり身体強化をしてもらった方がいいと思っていたが…これは先に白翔の現在の身体能力を理解しておいた方がいいかもしれない。」

「そうだねぇ。この感じだと、この華奢な見た目とは裏腹に身体能力が化け物級の可能性もあるよね。」


華原の考えに司漣(しれん)も同意する。


「じゃあ早速確認を―――…いや、先に枷を外して、今日は服や必要なものを買う方が先かな。能力の確認は明日改めて行おう。」

「あぁごめん、明日僕と軍嶺は夜まで仕事入ってるんだよね。」

「私も全能印についてもう少し詳しく調べなおしておきたいわ。」


華原の話に参加不可の声を上げたのは司漣と葉港。


「わかった。なら明日は私と、(ろく)荘隆(そうりゅう)で確認しよう。二人は明日の白翔の様子を見て、基礎トレーニングメニューを考えてくれ。」

「はーい!」

「…」


 そんなこんなで、急遽予定を変更して、明日改めて黒羽の現在の立ち位置を把握することに決まり、その場は解散した。黒羽と華原はひとまず華原の部屋に戻る。現在時刻は午後二時ごろだ。


「なら、まず先に君の枷を外そうか。一回私の衡具を使って外せるか試してみよう。」

「衡具?」

「あぁ、説明していなかったね。印を持つ均衡師は、戦うのに『衡力』という力で作り出した『衡具』というものを使って戦うんだ。さっきの戦いでいえば、陸はフォーク、荘隆は槍が衡具だね。」

「華原…さんの使う鉈みたいなもの?」

「そうだ。大抵の金属程度なら簡単に外れるはずなんだが…」


 華原はそういうと、手元から自身の衡具を出して、黒羽に動かないように伝えると枷を切ろうとする。しかし、衡具は枷に触れた瞬間霧散してしまった。


「これは…対衡具用の枷だね…。相当の衡力を練った衡具でようやく外れるかどうか…か…。いったいどこでここまで効力の高い枷を…。」

「外れないのか?」

「私には外せないな。とても衡力が多い均衡師に頼むか…あるいは…。」

「??」

「物は試しか。早速出かけるよ白翔。枷を外してもらって、その足で君のこれからの生活に必要なものを買いに行くよ。」

「外せるのか?」

「可能性はある。できるかもしれない人の所に向かうぞ。」




 華原に連れられて外に出た黒羽は、そのまま見たことある道を進む。


「こっちって検問の方向じゃ…」

「枷を外してくれる人がいるのはこっち側なんだ。」


 そのまま飲食街も抜けて、検問所付近の区域へ。

「ここは飲食以外の商業施設が広がる区域だ。目当ての店はこの付近に―――…あった!」


 そうして連れてこられたのは鍛冶屋だった。


「おっちゃん、いるかい!」

華原はそこの鍛冶師と顔なじみらしく、敬語は使わず親し気に声をかけながら暖簾(のれん)をくぐった。鍛冶屋の中はあまり広くなくこじんまりとしていて、店の端には様々な武器が売られている。中にいる鍛冶師は一人だけで、『鍛冶』と背中に書いた深い赤の法被に、ぴちっとした黒いずぼんと、草履という、動きやすそうな恰好をしている。


「おぉ!塔んとこのねぇちゃんじゃねぇか!ひっさしぶりだなぁ!今日はどうした!」

「ちょっとお願いしたいことがあってさ…この子の枷を外すことってできる?」


華原はそういうと黒羽の腕をもって少し持ち上げる。


「ほぉ、お前さんが俺に頼んできたっつーことは対衡具の枷なんだな?」

「そうなんだよ。」

「まってろ、今道具持ってきてやっかんな!」


 鍛冶師のおっちゃんはそういうと道具を取りに奥に入っていった。


「塔んとこってどういうことだ?」

「あぁ。この辺の人は、『烈焔寮』のことを塔っていうんだ。この辺では珍しく高い建物だからね。貴族嶺の方に行くとこれぐらいの建物はいっぱいあるんだけど、この辺の市民街ではうちぐらいだからさ。」

「じゃぁ、城の周りの塔はなんて呼ぶんだ?」

「あれらの塔は『四神の塔』って説明しただろう?それぞれに、青龍、白虎、朱雀、玄武って名前があるんだ。だから、あの辺はそれぞれ青、白、赤、緑って色で呼ばれることが多いね。」

「なるほどなぁ。―――それにしたってどうして枷を外すのに来た場所が鍛冶屋なんだ?」

「均衡師というのは、災獣対処だけでなく、たまに対人戦も行うときがある。そういう場合、相手が均衡師との戦闘を想定して、対衡具の武具を持っていることがあるんだ。そういった道具は、衡具への耐性はかなり強いが普通の武器相手だと案外弱かったりする。だから、こういった場合は、普通の武器を取り扱う鍛冶屋に頼むと、意外と対処してくれることがあるんだよ。」


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