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ワケあり脱獄者と7人の守護者(旧.主と七つの宝珠)  作者: 旧成 アノマ
第一章『学びと成長』

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第十一話『模擬戦』

本日二話目の更新です!

「突然でびっくりしただろうから、もう少し詳しく説明しよう。そもそも、君のもつ印、全能印というのは、基本の四種の印の力を併せ持つ印だ。しかし、私は当然のことながら侵術印しか持っていない。だから私が教えられるのは侵術のことのみ、しかも、私の戦い方しか教えてあげられない。しかし、様々な印を持つ複数の人から教えてもらえれば、印に対する知識や考え方が広がるだろう?あいにく、救術印は非常に珍しい印だから救術印もちはここにはいないが、均衡師の師匠となるのには十分な人員が集まっている。それなら、教えてくれる人が多いに越したことないだろう?」


華原(はなつばら)はそういうと、これからの動きについて話し出した。


「まず、歴史や社会、言葉等の座学と、補術については葉港(はこう)。基礎体力や基礎トレーニングで身体を作るのに指導するのは(ろく)荘隆(そうりゅう)。二人は守術のことや、守術印もちと合同で戦う方法を教えてあげてくれ。私は生活の補助と、対人戦、基礎的な均衡師の戦い方、その他白翔が聞きたいことに対応しよう。災獣退治に駆り出されたときは軍嶺(ぐんれい)司漣(しれん)について、実践や、侵術の可能性を知るといい。二人は面倒見がいいから、もし男同士でしかできない話とか、私がいないときとかに聞きないことがあれば彼らに聞くといい。白翔から何かある?」

「さっき、守術印もちと一緒に戦うときの戦い方は教えるって聞いたけど、補術印もちや侵術印もちと戦うときの方法は?」

「守術印もちとの合同対処は、よく葉港と対処に向かう私が教えよう。侵術印もちとの合同対処は軍嶺たちに聞くといい。他は?」

「あとは、今まで師匠は華原しかいなかったから師匠って呼んでたけど、これからどう呼べばいいんだ?」

「あぁぁぁ…名前にさん付けでいいんじゃない?」

「なるほど。わかった。」

「他には?」

「―――…今はないな。」

「OK。それなら、まずは各印の役割のイメージをつけてもらうために、一階の訓練場で私たちの対人戦を見てもらおうか。」


 黒羽たち七人はその足でそのまま訓練場に入った。すでに師匠たちは戦える格好らしく、特に着替え等もないまま対人戦に移行する。


「まずは侵術印もちvs守術印もちでの戦いから始めよう。いいかい白翔、ここにいる人たちはみんなどこの国でも欲しがるような最高クラスの均衡師たちだ。それゆえに、特に侵術印もちなんかは速度が異常に早い。それこそ、一般人には目で追えないほどだ。一応ゆっくり目に戦ってもらうが、もし目で追えなかったら必ずいうんだよ。」

「わかった。」

「では陸、荘隆。」

「はーい!」

「…。」


 呼ばれた二人は、訓練場の真ん中へ。黒羽は訓練場の壁を背に、その二人の戦いを見るべく集中する。

「レフリーは私がつとめよう。準備はいいかい?」

 華原の言葉で、陸の手にはフォーク、荘隆の手には槍が表れた。どうやってそれが表れたのか、黒羽は疑問に持ちながらも、スタートを今か今かと待ちわびる。

「では…はじめ!」


 先に動いたのは侵術印もちの陸。フォークを荘隆に向かってものすごい速さで投げ、荘隆が防御をしたタイミングで姿勢を低くして彼に向かう。一方、守術印もちの荘隆は投げられたフォークを槍を振ってはじいた後、柄の部分を下にして槍を地面につけた。すると、槍と同じく淡い青いシールドが彼を囲うように張られる。陸は低くしていた体制を整えて、シールドあいている部分、頭上部分から攻撃を仕掛ける。荘隆はそれに瞬時に反応し、素早くシールドを解くと槍を回して彼女の攻撃を防ぐ。


――ズギャァァァァァン!!!——


 フォークと槍の接触でかなり大きな音が鳴る。黒羽は音で気をそらされないよう、耳をふさいで戦いに集中した。


 接触の後、侵術印もちの陸は素早い動きで距離をとり、遠距離攻撃に移行。無数に現れるフォークを遠くから、先ほどよりも早く強い威力で放つ。守術印もちの荘隆は、先ほどのように槍を柄を下にして縦に持ち、今度はシールドを自分の周り全体ではなく、フォークが狙う場所のみに集中させて張っている。


――ガッ! ガッ!——


 フォークとシールドの接触音から、さっきよりもフォークの威力、シールドの強度が上がっていることがうかがえた。


 陸は再び、先ほどよりもはやい速度で距離を詰め、攻撃を行うが、荘隆のシールドと槍ですべて阻まれてしまう。

 陸が決着をつけようと、今までで一番速いスピードで向かってきたところを、荘隆がシールドで跳ね返し、陸が反動で倒れたところに槍を向けた。


「そこまで!」


 この時間およそ30秒。


「おい陸。君途中から本気だっただろう。」

「だって荘隆に攻撃全然通らないんだもん。」

「何のための模擬戦だと思ってるんだ。それじゃ白翔が目で追えないだろう。」

「そうだよ。今のペース、最後の方はそこらの均衡師ですら目で追えないんじゃない?」

「お前たちもう少し加減しろよ。」


華原だけでなく、司漣や軍嶺にも叱責を受ける陸たち。二人とも、自分たちに非があったことはわかっていたので、素直に黒羽に謝罪をした。

「ごめんね、全然わかんなかったよね!もしあれならもう一回、今度こそゆっくり戦うから!」

「すまない、つい本気になってしまって。」


そこにいる全員が、もう一度戦うことになるだろうと期待していた。そうでなくとも、何が起こっていたのか、口頭で説明することは必須だと思っていた。しかし、黒羽の返答はそこにいる全員が予想だにしなかったものだった。


「いや、問題ない。どんな戦いをしていたかは大体見えてた。」


その言葉に、場の空気は硬直した。


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