表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

9 ギルド編②~Cランククエスト~

ギルドに登録してから数日後にクエストの案内が来た。

ギルドには5つのランク毎にクエストが設定されており、SS、S、A、B、Cと分かれている。

俺達は勿論Cランクであった。


受付の人が言っていたように、受注する際の人数は決まっており最低3人を必要としていた。そうして、チーム構成にも受注要件に追記されていた。


俺は”プレイヤー”、朝日(あさひ)は”サポート”になる。そのため残る一人は”コントロール”が必要にな人材であった。


「結局の所、この分類はそれぞれの”思能(しのう)”に関係している。例えば、九条(くじょう)、あなたの”思能(しのう)”は単独で相手と戦闘になった時でも対応ができる能力だから、プレイヤーに振り分けられる。私のは単独での戦闘は不可で、空間をコントロールするような能力じゃないから”サポート”になるの」

そう、朝日(あさひ)は説明してくれた。


「それでどうする?あと一人”コントロール”ってのは知り合いにいるの?」

「いないわ」

「じゃあ、探すか?一応オンライン上で探せるみたいだけど。フィルターで欲しい”思能(しのう)”を検索できるぜ。そもそも”コントロール”ってどういうどういう系なんだ?」


「動物操縦とかはコントロール系ね。例えば、サムバアとかもそうかも」

「じゃあサムバアを仲間に入れる?」

「冗談でしょ?」


俺は仕方なく、掲示板のようなところで探してみたが正直、どんな奴がいいのかさっぱりだった。

ページをスクロールしていると見覚えのある名前を見つけた。

「おい。緋村亨(ひむらとおる)って覚えている?ほら、手から炎出してたやつ。あいつは……プレイヤーなんだな。ランクも書いてある」


「いくつ?」


「Sランクだわ…」

結構な強さだ。かなりの人数の登録者がこの”思能者(しのうしゃ)”ギルドに存在しているが、Sランクは上位5%に位置している。

緋村亨(ひむらとおる)書かれた名前をタップすると詳細が見れた。クエストの受注履歴も見れた。

そこには気になる名前のクエストを発見した。


脳吸(のうす)い討伐クエスト>

クエストランクを確認するとSランクであった。


「”脳吸(のうす)い”ってそんな危険なクエストなのかよ……」と俺は心の中でつぶやいた


「あいつ結構強いんだな……」


「私達も危うくまる焦げにされそうになったからね。でも九条(くじょう)もやりあえてたんだから、私達も結構やれるのかもよ?とりあえず、受注するクエスト先に探してみる?」

|

朝日あさひの言葉に俺は少し励まされて、先にクエストを探す事にした。

Cランククエストは多岐に渡り、多種多様な仕事で埋め尽くされていた。

草むしり、猫探し、死体探し、爆破事故の証拠探し……などなど数多くある。

俺はスクロール、スクロールでどんどん探していくと一つのクエスト名が目に入った。

<”思能者狩(しのうしゃか)り”の討伐>

俺はこれだと思った。


「なあ、朝日(あさひ)。”思能者狩(しのうしゃか)り”の討伐とかどう?」

「結構な戦闘になりそうね。報酬とかどう?」

「かなり高い。多分Cランクの中でも高額だね。ただ、その”思能者狩(しのうしゃか)り”を探すのが大変そうだ。なんか、毒を使うらしいが特に写真とかも載ってない。書いてあるのは”思能(しのう)”の内容だけ」

「じゃあ、それにしましょう。私、”思能者(しのうしゃ)”見つけは得意なのよ」

俺達は<”思能者狩(しのうしゃか)り”の討伐>のクエストを受注することにした。

メンバーは結局のところ自動招集タイプにして受注した。


数日後にギルドからクエスト受注承認の報告が送られてきて、そこには当日のクエスト開始場所と招集メンバーとの待ち合わせ場所が書かれていた。

クエスト開始場所はアップルタウンの出た少し街外れの隣町、ベーグルという場所であった。

またメンバーとの集合場所はアップルタウン中心部の噴水広場で集合するように書かれ、合流後ベーグルという街に向かいクエストを遂行するよう指示されていた。


俺と朝日(あさひ)はクエストが数週間程かかるとみて、街で少し買い出しと必要な物を調達してからクエストに向かった。


あまり緊張はせずに、特に眠れない日々も続かなかった。

サムバアが出発前に俺達に声をかけた。


「危なくなったら、逃げるんだよ。いいかい、”思能者(しのうしゃ)”同士の戦いに油断は禁物だよ。いつだって戦況はひっくり変えるからね」


「分かっている。じゃあ、行ってきます」

そう言い残して俺達は、初めてのクエストに向かったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ