エレベーターで同級生と一緒にGを感じた
地獄というものを知っているだろうか。
天国から地獄、そういうキッチュな、というより典型的な紋切り型がある。
俺は、クラスメイトの可愛い少女を待って、エレベーターで開ボタンを押して、おかしなくらい待ち続けた。
本当は、郵便受けや宅配ボックスをつついている間に、お先にどうぞとニュアンスで伝わっていたけど、可愛いから待った。おじさんなら待ってないぞ。
そうして俺は、エレベーターが上がる45秒未満の邂逅を楽しむはずだった。
やつに出会うまでは。
エレベーターが上昇するGを感じていると、ふとエレベーターの上部に視線を感じた。
俺が振り向くと、そこには監視カメラの半球体があるだけだった。
しかし、背後からカサカサと動くやつの生態を、目の動くものをとらえる能力は見逃せなかった。
「ぎゃあああああああっっっっ」
クラスメイトの少女との淡い時間は一気にホラー現場だった。
エレベーターに虫がいる時はある。時は大きい時も。
しかし、奴はダメだ。エレベーターの天井からやつに見つめられる。
もはや美少女の視線なんて、比べものにならないぐらいの慌てようだった。
俺は、やつから距離を取るために、クラスメイトとのパーソナルスペースを塗りつぶしていった。
「ちょっ、斉藤くん、ちょっと、そ、そこはーー」
俺は恋人のように彼女に抱きついた。ご寛恕願いたい。
つい、ブラホックを外したのは悪かったと思う。不可抗力だった。
普段のブラホック外しの練習が、自然と発揮されただけなんだ。わざとじゃない、信じてくれ。
彼女のブラと下着から、何かが落ちてくる。
パッドだった。
Gは陰を求めてか、天井から降りて、パッドの下に潜り込んでいった。
「きゃああああああっっっっ!!」
女の子の可愛らしい声が、エレベーターという狭い空間で金切り声に変わった。ああ、俺の鼓膜が、破壊される。
そうして、彼女が降りる階でドアが開いた。彼女はパッドをおいて走って逃げていった。
俺は、Gちゃんと一緒にパッドともに自分の住む階に上がっていった。
とりあえず、パッドを蹴り飛ばして、自分の階の廊下に。
その衝撃でGちゃんは、どこかに消えた。
うん、見てない見てない。
このパッドはとりあえず、洗わないといけない。ああ、洗わなくていいなら家宝にするのに。
しかし、これにはGの呪いがついている。
洗って返してあげよう。それが、クラスメイトと関わる賢い方法だ。
出会いは最悪の災厄だった。
でも、ピンチはチャンスに勝利をゲットと、どこかで聴いたような気がする。
Gというインパクトは、俺にクラスメイトとの関わりをプレゼントしてくれるはず。
ああ、抱きついた時の胸、柔らかったのに、パッドの偽物なんて。
俺の純情を弄びやがって。
これは雨の日のブラ透けでも見せてくれないと割に合わない。
「どういうつもりなのっ!」
彼女は教室で、「これ洗った胸パッド」と言ったことを怒っているようだ。
俺は真実を愛しているから、真実はいつも一つだから。 ちゃんと情報をクラスのみんなと共有したかっただけなのに。
パッドがなくてもソナタの胸は美しい。だから自然な柔らかさをプリーズ。
「ただ、G洗浄のパッドを渡したいだけだよ」
「時と場所を、TPOを分かれ。変態ゴミクズ」
おお、美少女の罵倒。これは思わぬ幸運だ。
ああ、その冷たい瞳が心地いい。もっと、もっと、くれ。
「澪ちゃん、パッドだったの」
いいぞ、同級生A、もっとパッド野郎に、パッドなんて男の夢を壊すようなことをするなと諭すんだ。
「豊胸手術じゃダメなの」
ダメです。ダメですよ、奥さん。
うちは有機栽培を愛する無農薬のみのヴィーガンですよ。オーガニックな食材だけが、本物だけを求める若き芸術家です。
「変なこと言わないでよ」
「澪、俺はありのままのキミが好きだよ」
「呼び捨てにしないで。わたしはあなたの全てが嫌いです」
おっと、Gのせいで俺の印象が悪くなってしまっているな。
全く、これだから太郎さんのご来店は困るな。
まぁ、最悪な出会いから恋は始まるものだ。
マンションが一緒だから、彼女と出会うことは多い。
別にマンション入り口で待ち構えてなんていないからね。ストーカーなんて最低だ。
恋愛は偶然の連続だ。それをストーカーなんて露骨な裏技で乗り切ろうなんて。
君子、SNSを観察せよ。
俺は偶然を装って、彼女の乗っているエレベーターにスライディングでなんとか乗った。
彼女が閉ボタンを連打していたことを、僕はまだ知りたくなかった。
「えっと、普通はエレベーター乗りたい人がいたら、開ボタンを押さない?」
「ごめんなさい、間違えました」
「危なかったよ。もう少しで余生をキミの看病で過ごすことになっていったよ」
女の嘘を許すのが一流の男だ。
嘘を嘘として見抜けないと恋愛はできないよ。
それから、俺はポケットからG100匹のオモチャを放り投げた。
その瞬間、彼女は俺の胸をぶん殴って、近くの階のボタンを押して、颯爽と逃げていった。
彼女の悲鳴は俺の脳内を何周もした。
女の子にイタズラすると、好きと伝わると小学生で学んだ。
こうして俺は現実の恋愛に失敗した。
さて、ギャルゲーに恋愛を学びに行くか。
これが本当のGスポッ……おっと全年齢だった
まぁ、Gにも注意だよね。虫嫌いの人はご注意ください。あとがきだと手遅れか。
雨の日とかたまに部屋にご挨拶しに来る。
まぁ、増えたりしてないから安心。一匹見つけたら、すぐに対処。増えるとやばいよ。ダニとかもね。




