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企業よ、個人情報を役立てろ!

作者: 伊藤ハム

日常を荒らす小さなストレス。




 常々思う事がある。


 私たちが入会手続きや契約手続きの時に書いて提出している個人情報は、一体何の意味があるのか、と。




 名前や住所、連絡先の他に、職業や婚姻関係の有無、子供は何人いるのか、住んでる建物は?年収は?などだ。


 散々長々と書かせておきながら、あれらが全く役立てられているように思えないのだ。




 まず本当に驚かされるのが生命保険の生保レディ。同じ思いをした事がある人は少なく無いのでは?これは会社にもよるのだろうか、彼女たちは本当にタイミングが悪い。


 何故この時間にこんな勧誘電話をしようと思った?



 と、正座させて小一時間問い詰めたいほど、悪いタイミングで電話してくるのだ。


 何故そんな担当と契約したのか?母がある日無断で契約してたのだ、所謂「お付き合い」で。私へは事後報告、書類に必要事項を記入しろ、本人確認の電話があるから出るように!と、それだけ。支払いは私、そして受け取りはもちろん母。そしてこの担当は、母のお友達のお嬢さん、という訳だ。



 最初は昼時に電話してきた。何度も何度も連日。あまりに忙しいので携帯電話など構ってられず、ほとんど放置していたのだが、この時は子供の事で学校から連絡が来る事になっていたので、許可をもらい携帯を傍に置いていた。昼休みの時間に電話すると先生から言われていたのだ。



 電話が鳴った、学校だと思ってウッカリとってしまった。違った、こいつだった。


 「○○生命の○○ですが~!お世話になっております~!本日は○○保険のご案内にお電話させて頂いておりまして~!」



 重要な電話を待ってるので早々に切らせてもらった。そしていつも思っていた事をついでに一言、言わせてもらった。



 「私の職業、ご存知ですよね?」




 私は飲食店で働いている。12時半~13時半の飲食店で忙しくないはずがないのだ。普通の会社員なら昼休みなのだろう。毎回この時間にピンポイントで電話してくる。




 「あ、すみませぇ~ん!忙しかったですかね?」



 少し殺意が湧く。おそらく同年代だったはずだ。それが社会に出てもうすぐ○十年になろうかという大人の物言いか。




 「じゃあ時間帯ズラして改めてお電話いたしまーす!」




 ああ、ようやくわかってくれたか。


 そう思ったら、次に電話がかかってきたのは店の開店時間の少し前だ。飲食店は開店時間と同時に調理や作業を始めると思っているのだろうか?書いたよね?職業欄に!「飲食店(調理)」って!


 「お料理教えて欲しいです~」とか言ってたよね?


 開店時間と同時に客が来たらどうすんだ。一瞬でその煮込まれたソースが出来るとでも?漫画のように一瞬で魚を捌き、肉の下処理をし、野菜を洗って皮を剥いて切れるとでも?


 こいつはアホなのか?と思って電話に出なかった。だが、彼女もしつこくその時間にかけてくる。電話に出るまでかけ続けるのだろう。



 このコロナ禍で、店も休みになる事が増えてきたタイミングで、また彼女からの勧誘電話があったので言ってみた。



 「えぇ~、開店前ならいいかと思ったんですけどぉ~、あー、そうなんですねぇ~。じゃあ平日の朝早くならいいですか?7時半とか!」




 子供いるの、知ってますよね?貴方がそのオススメしてきてる保険、子供の学資保険ですもんね?子供がいる働く主婦の朝は、子供を学校に送り出すまでが戦争だと知らないのだろうか。


 「すみません私まだ独身なんで~」


 ああ、そうでしたね。でも貴方がしつこく勧誘するその学資保険を売る相手は皆さん子供いますよね?その辺り知っておこうなんて気持ちは微塵も無いわけですね?



 「いつの時間帯なら電話大丈夫なんですか~?」




 店の夜営業終わってからくらいでしょうかね、8時半とか9時前とか。



 「あ~、その時間私もう就業時間終わってますんで~」





 ダメだこりゃ!と、いかりや長さんが脳内で呟いた。




 しかしどんなにダメな担当であっても、1度担当になると変更出来ないのだそうで。ひたすら低姿勢で謝り倒すものの、どういうシステムなのかは知らないが、担当は変えられません!の一点張り。

 

「では解約で」となると慌てだす。

 会社自体ダメだこりゃ!



 結局、解約しても雀の涙しか戻らない、とのことで(そこも納得いかないけど)担当には二度と勧誘電話させないようにさせると約束してもらって、とりあえず解決・・・?するのかなぁ・・・。


 





 そして次に頭にくるのは「○○でんき」「電話料金系」。


この人たちも問答無用で一日中電話をかけてくる。相手の職業なんてお構い無し、とりあえず契約とれたらそれでいいのだろう。手当り次第に電話をかけてくる。店の電話にもかけてくる。


 よりによって繁盛期にしかも忙しい時間帯にかけてくる。たくさんの子会社に委託しているのだろう。断っても断ってもかけてくる。断ったはずだと伝えても、自分のとこの会社では今回初めて電話するのだと言う。その繰り返しだ。



 とある携帯電話会社では勧誘電話に加えて、店舗へ用事があったりする時にでも勧めてくる。同じ店舗でも何度でも勧められる。



 断った時に「でんきの勧誘×」とか、顧客情報に追加してくれないのだろうか。誰だって何度も何度もしつこく勧誘されると嫌ではないのか。断られたら潔く引く方がまだ好印象だ。


 この客にはこれを勧誘してもダメだったと、ちゃんと顧客情報としてデータにしてほしい。そしてそれを、会社内で共有してほしい。無駄に流出ばっかりさせてないで、ちゃんと活用してほしい。毎回毎回顧客情報を出して、本人確認してるのは何の為なのか?


 顧客情報はあれど活用せず、同じ系列内で情報をシェアすることも無く、手当り次第に電話をかけまくるその労力と時間とお金、無駄ではなかろうか。


 必要なら契約するだろう。新しい商品を知りたいならこちらからでも連絡するだろう。

 


 だが、こんな相手の生活も気にかけず、手当り次第に電話しまくって、契約取るだけとって後は知らん顔するであろう、何の信頼もできない信用度が皆無の相手と、安くもなく、しかも長期に渡る契約を一体誰がするというのだろう?



 少しはいるのかもしれないが、私はしない。したくない。

 

 選挙カーで朝から晩までうるさく凱旋する政治家と同様に、こんなやり方はとっくに時代おくれだ。イメージアップになる事は無い、ひたすら迷惑でしかない。


 こんな事が続く事で、どんどん会社にマイナスイメージを持つしかない。コロナで不景気な今、余計なものはどんどん節約されて切られる世の中。そしてたくさん選択肢があるから競争率が高く企業も必死なのはわかる。


 しかし、彼らにとって私たち顧客は「大勢の1人」でしかないのだろうが、私たちからすると「1つの会社」を相手に話をしているのだ。



 その1つの会社を信用し、契約して、個人情報を提出しているのだと言うことを、もう少し理解してほしい。



 その個人情報、もう少し役立てください。会社のためにも、顧客のためにも。


 AIならきっとさっさと学習してさっさと活用するんだろうな。そのあたり、心のある人間が負けてどうすんだ。


 配慮も分別もAIに劣る心無い営業電話、それ必要でしょうか?



 と、企業に問いたい。



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