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運命との勝負

作者: 日真 陣

僕は運命との勝負にハマっている。

運命と勝負することは楽しい。

運命はいつも僕に賽を振らせてくれる。

つまり僕は有利な立場にいるということだ。

でも僕はなかなか運命に勝つことができない。

運命は本当に勝負事に強い。


運命との勝負は実は思ったよりも難しい。

運命の奴はこちらが完璧に準備すると、勝負に乗らず、必然という名の賭け金を支払って勝負から降りてしまう。

当然だろう。

運命のやつだって勝ち目のない勝負には乗りたくないだろう。


それではダメなのだ。

僕は運命と勝負して遊びたいだけなんだ。

遊び相手をカモにするなんてつまらないことを僕はしたくない。

運命と公平な勝負をするには、お互いの勝利の可能性が半々でなくちゃいけない。

でも僕はずるいから、そんないい勝負をしてやる気はない。

しっかりと準備してから勝負へと望む。


いい勝負というものは、いい準備から始まる。

しっかりと考え抜いた作戦で、狙いすましたタイミングで、とどめを刺すように切り札を切る。

しっかりと準備をしているからこそいい勝負というものが成り立つのだ。


運命の奴だってそうだ、僕が準備できていなかったとしても突然勝負を仕掛けてくる。

相手が準備できていないときに勝負を仕掛けることもまた良い作戦だ。

相手に準備する時間を与えないことで自分に有利な状況を作り出す。

これだから運命の奴は油断ならない。


運命のすごいところは毎回必ず僕にも勝ち筋がある。

必然の奴とは勝負にならない。

アイツは結果そのものであり、勝負師ではない。

だから勝負が成り立たない。

結果の分かりきっているものを勝負とは呼ばないだろう。

運命の奴はそこのところをきっちりわきまえている。

運命が百パーセント勝つ勝負を仕掛けてくることはないし、僕が百パーセント勝つ勝負を仕掛けられることもない。

お互いに勝ったり負けたりを繰り返すいい勝負だ。


運命の奴とのゲームの終わりは、僕が運命との勝負に飽きるか、僕が死ぬ時だ。

奴もそのことはよくわかっているだろう。

僕が勝負を挑まなくなれば運命は勝負を受けることがなくなるし、僕が勝負を受けなくなっても運命を僕は勝負することはないだろう。

そして、僕が死んでしまっては僕と運命の奴の勝負はできなくなる。

だって僕は死んでいるのだもの。


たまに僕は運命の奴と勝負したくない時がある。

それは負けられない戦いの時だ。

誰しもいくつか負けられない戦いというものに出くわすだろう。

そんな勝負受けたくないに決まっているだろう。


僕の場合は負けると二度と運命と勝負できない勝負は受けない。

負けたらゲームオーバーなんてつまらない。

僕はまだ運命と勝負して遊びたい。

だからこそ受ける勝負はしっかりと見極める必要があるのだ。


僕は運命に勝つ為に己の持てるものを手当たり次第賭ける。

自分の時間、自分のプライド、自分の魂、そして自分の命。


自分がかけていいもの全てを賭けて戦う。

運命との勝負を楽しむために必要な投資だ。

いい勝負をするためには掛け金も重要だ。

いい勝負には大金が動く。

それこそがスリルやハラハラドキドキなストーリーを生み出す。

だからこそ己が出せるすべてをかけるのだ。


僕だって別に運命に負けてばっかりじゃない。

僕だって運命の奴に勝つ時がある。

勝負事は勝ち負けが拮抗するほど面白い。

そういう意味では運命の奴は僕にとっていいライバルだ。


初めにもいたが運命の奴はいい勝負を仕掛けてくる。

勝ち目がない勝負はないし、つまらない勝負もない。

必然の奴とは大違いだ。


今日だって僕は運命の奴と勝負する。

小さい勝負から大きい勝負まで。

例えば雨が降るか降らないか。

例えば今日僕が交通事故にあうか合わないか。

例えば僕が何秒から立ち治れるか治れないか。


運命の奴は僕に負けると結果という掛け金を支払う。

僕は運命の奴に負けると努力を水泡に帰させられる。

お互いに同勝ちであるものをかけているはずだ。


僕たちが勝負をする理由は何だろうか?

楽しいから?

勝ちたいから?

掛け金が欲しいから?

多分どれも正しい。

勝負は楽しいし、勝負には勝ちたいし、結果という掛け金も欲しい。

負けた分は次の勝負で取り戻す。

次こそはきっと負けない。

だから僕は今日も運命に勝負を仕掛ける。


さあ、運命よ!今この一瞬を賭けて勝負しよう!

負けてあげる気はないよ!


僕はそうやっていつも運命と勝負をしている。


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