第6話
隊長だ。
当たり障りのない平均化された言葉で、隊員を鼓舞している。
きっとそんな部隊の体質が、俺には合わなかったのだろう。
続けて送られて来たメールは、別フォルダーに送られた。
久谷支部の部隊に出された指示だ。
つまり、俺と竹内。
そこにいま届いたばかりの通知がため込まれていく。
最初のは既読がついている。
俺も読んだ。
「No.03を確保しろ 手段は任せる」
それ以降の日付データは何もない。
そこからたったいま送られてきたばかりの、新着20件を超えるメッセージ。
その一つを開いた。
送られていたのは何かのURLで、開く気なんかなかったのに、うっかり指は触れてダウンロードが始まる。
一つをクリックすることで、全てが連動して展開されていく。
おかげで端末の更新が始まってしまった。
これでまた俺は、しばらく動けない。
「……竹内にまで、キレられるとは思わなかったな……」
入隊した時からの仲だ。
口は悪いし無愛想だけど、何度も二人で危機を乗り越えた。
一心同体とまでは言わなくても、欲しいところでちゃんとパスがくる。
そんな関係だと思っていた。
だけどそう思っていたのは、俺だけだったんだな。
ダウンロード完了の合図。
だけど今さら、どうにもならない。
再起動の指示があり、それにだけは従った。
新しくなった画面には、見知らぬアプリが組み込まれている。
『天命・改』