第4話
「次の指示をください」
ようやく口をついたセリフに、ほっと胸をなで下ろす。
俺にだって、部隊の役に立てることはあるはずだ。
「具体的な指示をくだされば、ちゃんとやれます」
隊長は腕の中に、大切にハヤブサを抱いていた。
R38を記憶したハヤブサだ、普通の鳥じゃない。
ハヤブサは腕の中で隊長を見上げ、もう一度小さく鳴いた。
そのハヤブサのしぐさに、隊長は見たこともない優しい笑みをもらす。
ゆっくりと歩き出したその人は、俺たちに一瞥もくれることなく行ってしまった。
きっと、そういうことなのだろう。
「重人。飯塚さんを追いかけよう」
「……隊長直属の精鋭部隊が、チームで追いかけてるんだぞ」
「隊長の指示がない以上、仕方ないだろ」
「隊長からの指示って?」
「……。飯塚さんの確保」
「そんなの、もう俺たちだけじゃ無理だって、十分分かっただろ」
竹内の声が、大きくなった。
「お前の目的はなんだ!」
その言葉に耳を疑う。
竹内を見上げた。
なんでそんな当たり前のことを聞くんだ。
「飯塚さんを救うに決まってるだろ」
竹内はポケットから俺の端末だったものを取り出すと、それを地面に叩きつける。
「おいっ!」
「もういい。チームは解消だ。俺は都庁へ行く」
細く背の高い、見慣れた背中まで遠のいていく。
「なんだよ! お前は違ったって言うのか?」
隊長に嫌われていることは、最初から知っている。
同い年だけど遙かに部隊所属歴の長い竹内とは、応対が全く違う。
そんなことに負い目や劣等感を感じなかったのは、全部飯塚さんがいてくれたからだ。




