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第3話

「触るな」


カラスを組み敷いたハヤブサの胸に、血しぶきが舞った。


飯塚さんは手のひらに隠れるほどのエアガンを、俺たちに見せる。


その銃口を向けたまま、ゆっくりとハヤブサに近づいた。


動かなくなったR38を拾い上げる。


「こいつは大事な仲間なんだ。お前たちに渡すわけにはいかない」


「今すぐ投降してください。俺たちは全力で、あなたを支援します」


「はは。お前はいつまでそんな寝言を言っている」


飯塚さんは傷ついたカラスを腕に、俺たちを見下ろした。


「相変わらず甘いね。俺ならここで、俺を捕まえようとしないお前らを処分する」


この人の持つ銃口の先が、ハヤブサに向けられていることに気づいた。


「悪いが長居は出来なくてね、また会おう」


鍛えあげられた肉体が、清掃作業員の制服の下からでも分かる。


俺と竹内でつかみかかっても、勝てないと分かっている相手だ。


ちらりと竹内に目をやる。


飯塚さんからの距離は、俺よりも遠い。


背中にも目がついているような人だ。


動けば何が起こるか分からない。


飯塚さんはカラスを上着の中にしまい込んだ。


片手を振り上げた瞬間、一迅の風がエアカッターとなって駆け抜ける。


走り出したその人を追いかける複数の足音だけが、微かに耳に聞こえる。


「かわいそうに」


一切の気配を消し去った隊長が、そこに立っていた。


息も絶え絶えなハヤブサをそっと抱き上げる。


小さく甘えたような声を上げたその頭を、ゴツゴツとした太い指がそっと撫でた。


何も言わず、そのまま背を向け歩き始めた隊長に、何かを訴えようとしても言葉が出てこない。


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