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第2話

「なんだよコレ」


隊長がつけたナイロンのような輪は、目くらましだったのか。


あちこちにマーキングされた点が表示されている。


「これじゃ、どれが本物か分からないじゃないか」


竹内は叫んだ。


「違う。上を見ろ。自分の目で見たものだけを信じるんだ」


背中の竹内は、空を見上げた。


「なるほど了解!」


ペダルに体重をかける。


電動自転車特有の加速で走り出した。


後ろの竹内は時折鳴いて、R38と何かを話していた。


彼は俺たちを近くの自然公園に誘導すると、その上空で旋回を始めた。


ここで飯塚さんを待っているのか? 


背中の竹内はまたR38に声をかける。


俺たちは公園の敷地に入り込んだ。


「おい重人、ちょっと待て!」


後ろでブレーキをかけられ、俺は上空を見上げた。


R38に向かって何者かが急降下している。


黒い羽根が飛び散った。


逃げようと身を翻すも間に合わない。


二度、三度と激しい攻撃を受け、カラスは為す術もなく失速する。


「急げ」


墜落するR38の影を追う。


墜ちていくそれを捉えた影は、自らの意志で急降下を始めた。


キリリとつり上がった眼。


それを縁取る黄金が光る。


緑の芝生の上で、ブルーグレイの強く美しい翼を誇らしげに畳んだ。


「お前、どこから……」


ハヤブサだ。


近寄ろうとした瞬間、耳元の空気が切り裂かれた。

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