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第3話

「どんなことでも報告は欠かすなと言ったはずだ」


「ハイ、すみません!」


竹内はその声に、脊髄反射的に起立する。


俺は仕方なくのろのろと立ち上がりながら答えた。


「マップ上に隊長の姿が確認できなかったので、これは緊急事態かとッ……」 


腹に強い衝撃が加わる。


隊長の固い拳が、腹腔にめりこんだ。


着ぐるみの上からでもこの威力だ。


俺はピンクウサギのまま路上に崩れ落ちる。


「お前らのうかつさには、心底うんざりさせられる」


緑の帽子をかぶり、ひげの配管工に扮した隊長は竹内をにらんだ。


リスは敬礼する。


「08隊員のもとにR38と思われる接触あり。現在調査、追跡中です」


「端末を出せ」


ようやく視力の戻った俺に向かって、隊長の手が伸びた。


俺は仕方なくそれを差し出す。


「今の制裁は、難を免れた機器の報告を怠った件」


隊長は自分の端末とそれをつないだ。


情報が転送されてゆく。


「これだけで済んだことを、ありがたく思え」


まだ息がうまく出来ない。


投げ返されたそれを、毛むくじゃらの手でかろうじて受けとめた。


「対象はここにない。もっと頭を使え」


隊長は背を向ける。


この部隊の全てを統括するような人に、所詮かなうわけがない。


俺だって、この部隊と天命の全てを操れたら……。


人混みに紛れ、風景に溶けて消える隊長を見送る。


こんな人がトップだなんて……。


「やっぱ想像以上に荒れてんな、隊長。飯塚さんがこんなことになってさ」


竹内はリスの頭を取った。


「もう行こうぜ。隊長がここにいないと言ったら、あの人はここにいない」


こみ上げる吐き気と痛みとを、もう一度飲み込む。


悪いが俺は、そんな単純に出来てはいない。


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