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第19章 第1話

天命が不安定な運営を続けている以上、アンドロイドの影武者を使うことは危険すぎた。


防犯カメラへの侵入も、カード決済の記録を照合することも、民間のネットワークを利用して出来ないわけではないが、天命経由と違って足のつく可能性もある。


俺たちは話し合った結果、一旦ゲームセンターの中に潜り込んだ。


竹内がかつて、侵入したことのある建物だ。


端末に残されていた記録を頼りに進む。


「あったぞ」


竹内は鍵穴に細長い金属の棒を差し込んだ。


ハンガーやヘアピンだなんて、古典的で個人のテクニックを要するようなものではない。


親指の指紋認証で使用許可を与え、鍵穴の形状を認識して解錠する形状変異合金だ。


「こういうのも、システムが本当にぶっ壊れてしまったら、使えなくなるんだよな」


使用した場所や回数は記録されるし、許可を取り消すことも簡単だ。


天命が混乱し不安定ないま、俺たちには何がどうなっているのか、それすらも分からない。


自分たちの出来ることと出来ないこと、許されることと許されないこと。


何がよくて何がダメなのか、「天命に許されている」という倫理基準が揺らいでいる。


手探りの進行は続く。


扉が開いた。


ゲーセンのバックヤードに潜り込む。建物の構造は、以前に消防局からダウンロードしていたデータから確認済みだった。


迷うこともない。


「あった、あったぞ!」


「あるのは分かってるんだ。さっさとしろ」


あらかじめUSBに仕込んであった内容を、竹内は侵入と同時にクリック一つで書き換えた。


これで勤務時間の操作も完璧だ。


俺たちは実働部隊としていくつかの任務をペアでこなしてきた。


息はぴたりとあっている。


今はそこに、いるべき人たちがいないだけ。


「行くぞ」


店内の監視カメラは停止させておいた。


俺たちはぎこちない動きのまま外に出る。


薄汚れたリスは振り返った。

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