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第5話

「証拠は」


「ない」


ふいに、コンビニへの来客を知らせる音楽がなった。


反射的に駆け上がる。


「お待たせしましたぁ!」


竹内がいつも制服を着ていて助かった。


悪態をつく客を相手にレジを打つ。


その間に俺は素早く制服に着替えた。


二人で店に立つ。


天命がハックされ、商品の配送も止まっていた。


竹内に配送システム不具合の張り紙を出し、店の混乱を軽減させるかと提案したら、同じ看板を掲げる同系列他店舗では影響がないはずだから、うちだけ停止しているのはおかしいと言われた。


俺たちの秘密基地は、他系列店舗という扱いになっている。


その数は圧倒的に少なく、出店地も普通ではありえない僻地に建てられていた。


客足を増やさないためだ。


だが店舗として店を構え営業している以上、客を装った隊員だけではなく、本物の客もやってくる。


バックヤードのオートメーションオペレーターは、数時間後にはなんとか復旧し動き出したものの、実働店員2人だけで店を回すには無理があった。


「俺はコンビニ業務が忙しくなったことに対して、怒ってるんじゃないんだ!」


レジ打ちと商品配列に忙殺されながら、竹内は叫んだ。


「分かってるよ!」


とはいうものの、こんな精神的にも肉体的にも過酷な労働を、2人だけでは乗り切れない。


しかもここは基地という特性上、24時間営業なのだ。


「コンビニの管理プログラムまで破壊したのは、部隊の人員を割かせ疲弊させる目的もあったのかもな」


店長も兼務していた飯塚さんだ。


その作戦の徹底ぷりはハンパない。


「……もしそうなら、ぜってーぶっ殺す!」


竹内の叫びむなしく、俺たちはほぼ無休状態でコンビニ営業を続けざるを得なかった。


本部からの専用回線は途絶えても、定時で配送トラックは来てくれる。


それがどれだけ心強く励みになるのかを思い知った。


配達員を装った隊員からの指示を受けとる。


天命は乗っ取られ、全てが混乱していた。


安全が確認されているトラックの荷台で交わす会話のみが、確かな方法だった。


俺たちはその日一日、コンビニ業務に追われた。

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