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第4話

玄関には、孫の手を持った母が立っていた。


50代と思われる女性がその母に寄り添い、そのすぐ側にいる30代な感じの男とも目が合う。


「電源をわざと落としたのか!」


「私の指示で、お母さまがあなたのお部屋のブレーカーを落としました」


「はぁ? ふざけんなよ!」


女に代わって男がにじり寄る。


「あなたのお母さまが、本当にこんなことをやりたくて、やっていると思いますか?」


間髪入れず、母はしくしくと泣き出した。


「ご、ごめんね重人。すぐに元に戻すからね」


母から孫の手を受け取った女は、ブレーカーを元に戻した。


得意げかつ毅然とした態度で俺を振り返る。


「余計なことするなって! 俺の心配は無用だ!」


「確かに。あまりいい手段だと私も思ってはいませんが、お母さまと相談した上で決めました」


その身勝手な軽率さに、俺は盛大なため息をつく。


このパソコンが今の俺にとって、唯一の武器であり手段なのに!


「だって、重人はずっと家に引きこもってパソコンばかり……」


「仕事だって言ってるだろ!」


「なんの仕事よ!」


「……自宅、警備……」


「あなたに守ってもらわなくても、ちゃんとお巡りさんがいます!」


俺もその警視庁の一員なんですけど! とは、口が裂けても言えない。


俺は今、こんなところで足を引っ張られている場合じゃないのに!


「重人くん、君には価値がある。人生の物差しは一つではないのよ」


男の手が肩にのり、女はさらにたたみかける。


「家に引きこもってばかりいないで、生きる本当の意味を見つけて。ね?」


この二人は、精神保健福祉センターから派遣された家庭問題専門のカウンセラーらしい。

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